カンガルーの小部屋

2010.05.01

かんがるう目線 研修医の先生に 頭と手と目と心と口と足と

4月の1か月間、研修医の先生に来ていただきました。

今日は、いたやどクリニックでの研修の最後の一日です。

お昼休みに、ささやかな送る会を開きました。

職員ひとり一人のメッセージが書かれた熊のぬいぐるみを送りました。

誰かに何かを伝えることは、伝える側の勉強です。

相手のためではなく、自分の修行のためです。

夜に開かれた送別会では、院長としてのメッセージを送りました。

何を研修するのか。

頭と、手と、心と口と、医師としての研修は、その4つが必要だと思います。

頭は、学問です。

最新の医学知識を吸収する努力をあきらめないこと。

学会や研究会に時間が許す限り出席してください。

医学のことだけでなく、世の中の動きにも敏感であってください。

手は、技術です。

患者さんの苦痛を最小限にするためには技術が必要です。

自分の手先を磨くことも忘れないでください。

目は、真実を見抜く力です。

権威やしがらみに惑わされず、何が患者さんにとっての益なのかの視点を曇らせないでください。

心は、共感力です。

医師という仕事は誰のためにあるのかという命題を、一生考え続けてください。

自分が中心となってすべきこと、まわりの人の助けを求めなければならないこと、

患者さん目線を忘れずに、謙虚な医師であり続けてください。

口は、説得力です。

自分を伝えるための口は要りません。

患者さんの悩みや想いを代弁するためには説得力がいります。

人前で話すことをいとわないこと。人前に自分の文章をさらすことをいとわないこと。

その中でこそ、説得力は磨かれます。

最後に足は、行動です。

社会の理不尽さに出会ったときには、それを変えようとする気力を持ち続けてください。

はじめの一歩を踏み出す壁を、乗り憩えてください。

頭と手と目と心と口と足と・・

いつか先輩たちを乗り越えた先生に出会えることを、とても楽しみにしています。

いたやどクリニックに研修に来てくださり、本当にありがとうございました。

                       2010年4月30日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏