カンガルーの小部屋

2010.11.27

カンガルギー情報 第60回日本アレルギー学会④

11月26日、日本アレルギー学会二日目は、「食物アレルギー急速経口耐性誘導法」の発表を聞きました。

いろいろな大学や病院から、6題の発表です。

食物アナフィラキシーを起こしたことがある子どもに、入院をしていただき、連日4~5回の食物負荷を行う。

一定期間後に、どれくらいの子どもが食べられるようになったのかの報告です。

その中で、いくつかの傾向がみられました。

①はじめの一週間である程度まで増量できた子どもは、その後も順調に増量できやすい

②加熱卵白に比べて、牛乳の増量は、困難なことが多い。

また、いろいろな課題も見えてきました。

①負荷に伴う安全性を、さら確保するには、どのようにすればよいのか

②治療ゴールを、子どもの日常の食生活の改善につなげられているのか

③急速負荷後の、家庭での維持を毎日行うのか、それとも間隔を開けて行うのか

入院をしての急速経口食物体制誘導は、新しい治療の考え方です。

全国的な経験が、積まれていくことが期待されます。

                       2010年11月27日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏