カンガルーの小部屋

2023.12.03

カンガルーの本棚 また一つ巡り合い

小川糸さんの「ライオンのおやつ」(ポプラ文庫)を読みました。

雫は、若くして不治の病を得ます。

人生最後の時を、瀬戸内の小さな島のホスピスで暮らそうとしますが、

生への執着が、波のように寄せては引き、翻弄される毎日です。

ホスピスで出会ったナース、そして同じ境遇に身を置くゲストたち

手作りの食事をとり、丘から瀬戸内の海を眺めながら、

自分の短い人生も、まんざらではないなと振り返ります。

読後も、いろいろな思いが残る小説です。

2023年12月3日

いたやどクリニック小児科 木村彰宏