2010.03.21
カンガルーの本棚 みおつくし料理帖
高田郁さんの、みおつくし料理帖シリーズ第一作目「八朔の雪」を読みました。
かかりつけの本屋さんに平積みされ、気になっていた一冊です。
作者のサイン入りと銘打って、最新作が並べられていたのがご縁となりました。
下がり眉の澪(みお)が、天性の味覚と負けん気で、料理の腕を磨いていきます。
澪を見守るおとな達の細やかな人情が、涙腺を刺激します。
小説にはいろいろな読み方がありますが、主人公の生き方に肩入れができればページが進みます。
読み進むうちに、電車や大型店の中の喧噪も、大江戸のざわめきに変わります。
専門書を読む気持ちを後回しにさせる、こころにくい一冊です。
2010年3月21日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏