カンガルーの小部屋

2010.03.22

カンガルーの本棚 みおつくし料理帖パート2

連休中に、高田郁さんの「みおつくし料理帖」の続編を読みました。

「花散らしの雨」と、「想い雲」の2冊です。

それぞれが4つの短編から成り立っています。

親子の愛、兄弟の愛、そして幼くして別れた幼なじみとの愛。

澪や澪を取りまく人々の細やかな人情の流れとともに、物語は進んでいきます。

なかでも、大坂で別れた野江とのつかの間の再開を描いた「想い雲」は、秀逸です。

吉原中町の喧噪や、お囃子の音、白狐の面に託された想い。

映画の一シーンを見る思いがしました。

                       2010年3月22日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏