2010.03.25
カンガルーの本棚 もうひとつの「おくりびと」
高田郁さんの「出世花」を読みました。
書店のポップアップに「もうひとつのおくりびと」と書かれています。
江戸時代の底辺に生きる人々をやさしい目で見つめ、まっとうに生きようとする主人公。
前回ご紹介しました「想い雲」の中で、作者は主人公の澪に「天災を除いて世の中で一番恐ろしいのは、妖怪でも化け物でもなく、生きているひとだと思う。だが、恐ろしいのもひとだけれど、同時にこの上なく優しく、温かいのもひとなのだ。」と語らせています。
その原点が「出世花」という作品にあるように思います。
2010年3月25日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏