2019.09.25
カンガルーの本棚 伝えたいことが
宮口幸治先生の「ケーキの切れない非行少年たち」(新潮新書)を、読みました。
書店に平積みされた、表紙の帯の図柄に引かれて手に取り購入
そのまま、2日で読み切るおもしろさ
犯罪に手を染める青年たちの心の闇を描き出しています
ASD・ADHD、被虐待体験、そして認知機能の未熟さ
一般的に知的発達障害と言われる検査結果からは
拾い上げることができない軽度の知的な遅れが、
社会適応を妨げ、社会からのドロップアウトにつながっていることを
宮口先生は、医療少年院に勤務された体験から、解き明かされます。
正常ですといわれ、何の援助も受けられずに育った少年たちの心の叫び
伝えたいことが、本書には詰まっています。
明日からの診療の質を変えてくれる1冊です。
2019年9月25日
いたやどクリニック 木村彰宏