2010.09.03
カンガルーの本棚 伝える技術
池上彰さんの「わかりやすく<伝える>技術」(講談社現代新書)を読みました。
この夏は、池上さんの本が、マイブームです。
ほかの方の解説図書と、どこが違うのだろうかと考えていました。
池上さんは、NHKの出身です。
「NHKでは、放送では解説するけれど、判断するのは視聴者。視聴者がそれぞれの意見を持ってください、というスタンスで望みます。」と述べておられます。
なるほど、そういう経験を積まれる中で、培われた文体だったのかと納得しました。
この著書で、次の箇所に惹かれました。
「あなたの話を聞いている相手は、自分とは生まれも育ちも違うわけだし、持っている常識が違います。そんな人たちにどういうふうに話をすればいいのか、伝えようとする相手のことを一生懸命考えます。当然のことながら、相手のことがよくわかっていないと、どいう伝え方をしていいかわかりません。そこで、相手はどういう人なのだろう?どういうことを言えばわかってもらえるかな?と考える。これがつまり、相手への『想像力』と言うことなのです。」
伝えることは、相手を知ること、相手を想像すること。
その上で、伝え方の工夫をすること。
伝えることの奥深さを学びました。
2010年9月3日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏