2023.08.14
カンガルーの本棚 天使じゃなくってもいい
寺地はるなさんの「彼女が天使でなくなる日」(ハルキ文庫)を読みました。
両親を亡くした主人公は、小さなしまで「もらいご」として育てられます。
民宿兼託児所を営む彼女のもとには、
訳ありのひとが泊りに訪れます。
育児と仕事に疲れ果てたキャリアウーマン
母の意にそむけない娘
高校生のうちの子どもを産んだ妹
他人が考える常識、小さな島をかけめぐる噂話
そこで肩を張らずに生きていく主人公に、
わたしたちも、前を向いて歩いていくことを教えられます。
美しい文体とともに、人生とは何かを教えてくれる小説です。
2023年8月14日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏