カンガルーの小部屋

2014.09.19

カンガルーの本棚 川あかり

9784575666526[1]

葉室麟さんの「川あかり」(双葉文庫)を、読みました。

藩で一番の臆病者と言われた七十郎が、刺客になる。

雨続きで川止めになり、盗賊宿で過ごすうちに

青年は、様々な体験をしていきます。

川明けの前夜、宿の娘にこう告げられます。

「もうじき、川明かりが見えます。

日が暮れて、あたりが暗くなっても川は白く輝いているんです。

なんにもいいことがなくっても

ひとの心には光が残っていると・・・」

おかしくって、わくわくして、しんみりとして、

最高の時代小説です。

         2014年9月19日

         いたやどクリニック小児科 木村 彰宏