2012.01.29
カンガルーの本棚 待ってるよ
大田康介さんの「のこされた動物たち」(飛鳥新書)を、読みました。
副題に「福島第一原発20キロ圏内の記録」とつけられているように、取り残された動物の写真と短文で構成されています。
今はだれも住んでいない家の玄関から動こうとしないイヌたち。
痩せこけて歩くネコたち。
そして、用水路にはまり、抜け出せないでいるウシたち。
写真に写るその目は、飼い主さんが戻ってくるのを「いつまでも、待ってるよ」と、訴えているかのようです。
この1冊の写真集を読むだけで、この星の生き物と原子力発電が、いかに相いれない存在であることかが、わかります。
つらいけれど、目をそむけてはいけない1冊です。
2012年1月29日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏