2024.03.12
カンガルーの本棚 明日を夢見て
朝井まかてさんの「グッドバイ」(朝日文庫)を読みました。
物語の舞台は、幕末は長崎の街
あぶら商を引き継いだ主人公大浦慶は、商売の先行きに不安を感じ、
外国との茶葉貿易に乗り出します。
そこで顔見知りとなるテキストルやウイリアム・オルト、そしてグラバー
茶葉工場と店舗を訪れる坂本龍馬、大隈重信、近藤長次郎などの幕末の志士たち
歴史の歯車がぐるりと回り、あるものは志を遂げ、あるものは志半ばで倒れ
その誰もがまだ10代、20代の若者であったことに驚きます。
広がっていく茶葉の商売、そして裏切りに会い、
山のような借財のなかで立ち上がっていく慶
幕末を彩る、もう一つの女性の物語です。
2024年3月12日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏