カンガルーの小部屋

2010.05.24

カンガルーの本棚 発達が気になる子のサポート入門

阿部利彦先生の「発達が気になる子のサポート入門」(学研新書)を読みました。

学習障碍(LD)、広汎性発達障碍{PDD}、注意欠陥多動性障碍(ADHD)などの発達障碍を、阿部先生は「オリジナル発達」と呼ばれます。

オリジナル発達の子どもが育つクラスは、

「クラスの子どもたちが皆、日頃から愛され、満たされて、あたたかい心を持ち、他者に寛容で、失敗も許し、困っている子にはさりげなく手伝ってくれるクラス」だと言われます。

「子どもはまわりのおとなを真似し、モデルとして成長する。子どもの傍らのおとなが、よい生き方を示してあげること。それが本来の教育の姿ではないでしょうか。」

そのためには「自分の発言や行動が間違っていたと悟ったときに謝る勇気を示し、また他者の失敗に寛容であること、また困ったときには遠慮なく援助を求め、求められた側は援助に応えること、そして、助けられたことに感謝し、また自分に助けを求めてくれた人に感謝できること」そんなおとなのよき生き様を子どもに見せることが大切だと結ばれます。

発達が気になる子どもとおつき合いされている方への入門書として、一押しの一冊です。

                      2010年5月24日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏