カンガルーの小部屋

2010.03.08

クリニックだより 清水選手と喘息

清水宏保選手の対談を、ライブで聞きました。

清水選手は、長野、ソルトレークシティー冬期オリンピックでメダルを獲られた、スピードスケート界の宝です。

先日現役引退会見をされたこともあり、清水選手が小さいときから気管支喘息をお持ちのことを、ご存じの方も多いかと思います。

対談では、肺機能が弱く基礎体力を付ける上で苦労したと話されました。

小さいときには、喘息発作で苦しいときには薬を使うものの、日常的に喘息をコントロールするという考え方はなく、むしろ訓練や鍛錬で克服しようと言う考え方で過ごされてきたそうです。

吸入ステロイド療法をはじめてからは、発作がコントロールされるようになったのですが、

毎日吸入する習慣を付けるためには工夫をされているとのことでした。

目に付くところに薬を置いておく。一日一回必ず行くところに薬をおく。など、清水選手も苦労をされているようです。

また、自分もしんどかったけれども、母親も夜に眠れないこともあり大変だったでしょうと、おかあさんを気遣われる言葉に、清水選手のやさしい人柄を感じました。

子ども期の気管支喘息にとっても、吸入ステロイド療法は基本的な治療方法となってきました。

また、その安全性も多くの医療機関で試され済みとなりました。

でも、どんなにいい薬でも、実際に使っていただけなくては効果は発揮できません。

お薬や治療のことで疑問なこと、心配なことがありましたら、診察やおかあさん教室の場で、ご遠慮なくお尋ねください。

子どもさんが毎日の治療を続けていく習慣を身につける工夫を、ご一緒に考えていきませんか。

                       2010年3月8日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏