カンガルーの小部屋

2010.03.04

聴診器のむこうに お大師さん

毎月20と21の日には、須磨寺はお大師さん(弘法大師御影供)で賑わいます。

境内に続く参道には、いろいろなお店が並びます。

そのひとつに、「じゅうしん須磨寺作業所」のお店があります。

お大師さんが近づくと、作業所では、みんなでじゃがいもやにんじんの買い出しに出かけます。20才になる車椅子の青年もそのひとりです。

お大師さんの当日には、ボランティアの方に力をお借りしながら、カレーライスやぜんざいが販売されます。

年末には丹波の黒豆が好評で、ボーナスが出たと喜んでおられました。

「なにに使われたのですか」とお聞きしますと、「この子が自分で服を選ぶんです。」と言われます。

「おかあさんも行かれるんですか」とお尋ねしますと、「この子は、母が来ると嫌がるんです。」と言われます。

「めがねに、マスクに、帽子に、しっかりと変装して怪しい格好で出かけられたら。」と助言をしました。

お大師さんに行かれるときには、青年のお店にも是非お立ち寄りください。

そして、変装姿のおかあさんも、見つけてくださいね。

                       2010年3月4日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏