カンガルーの小部屋

2010.02.28

聴診器のむこうに こくぼ二世くん

7才の男の子の鼻の下に、ちいさな傷を見つけました。

花粉症のシーズンですので、鼻をかみすぎたのかと思い尋ねますと、「ころんだんです。」と、おかあさん。どんな状況での出来事なのかの説明会になりました。

「雨の日で、右手には手提げバッグ、左手にはカサ。ランドセルは重くて、顔面からころんだんです。」

「しかも学校のローカで、コンクリートのうえで・・」ひぇー痛そー。

「上着もローカも血まみれになって、すぐ呼び出されました。」わーっ、とっても大変。

バンクーバー・オリンピックでは、何かとお騒がせのこくぼ選手。

顔面を強打し、腫れあがった写真と、男の子の姿とがダブリました。

「でも、泣かなかったんです。先生がほめてくださって・・」

おかあさんの最後の言葉をお聞きし、安堵しました。

こくぼ選手ではないですが、「怪我ですか、それがあっての小学生なんで・・」とでも言いそうな、将来が楽しみな男の子の顔でした。

                       2010年2月28日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏