カンガルーの小部屋

2010.02.15

聴診器のむこうに バレンタインの翌日に

5才の女の子が、チョコひと粒が入った袋を手渡してくれました。

2年生のおにいさんには、卵と牛乳アレルギーがありますので、「チョコの話題をどうフォローしようかな」と思っていますと、「このチョコは、卵も牛乳も、小麦も入っていないので、通販で買いました。」とおかあさんが言われました。

3人兄弟の診察の間に、銀紙をほどき、少し大きめのチョコを口にほおり込みました。

あまり甘くなくビターな大人の味。なかなかいける一品です。

兄弟みんなが食べられるようにと、アレルゲンぬきのチョコレートを探されたのかなと思います。

おにいさん、このチョコは先生が食べた中で、一番おいしいチョコでしたよ。

少し後で、小学6年生の女の子が来ました。

「チョコ、誰かにあげたの。」と聞きますと、「あげてへん。うちのクラスにイケメンいいへんもん。」と答えます。

「男はイケメンと違うよ。」と返しますと、「そうやな、やっぱりお金やな、お金。」と答えます。

この話を帰ってから家でしますと、「わたしも、そう思う」と奥さんに同意されてしまいました。

小学生の男子諸君。世の中は、家族の愛と、世間のきびしさと、二つながら真実ですよ。

                       2010年2月15日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏