カンガルーの小部屋

2012.01.31

聴診器のむこうに 亀吉

「ハムスターは、どうしたの」

「里子に、出しました」と、おかあさん。

11才の男の子には、アレルギーがあるので、毛がでるペットは飼えません。

「代わりに、カメを飼ったんです」って、言われるので、

「名前は、何」って、尋ねます。

「亀吉」と、男の子。

なんと、古風な名前なんでしょう。

「お手、する?」

「しません」

「しっぽは、振る?」

「ふりません」

と、短いやりとりが、続きます。

「かわいがってあげてね、きっと、竜宮城からの、招待状がくるからね」と、

大切な助言も忘れない、わたしでした。

2012年1月31日

いたやどクリニック小児科 木村 彰宏