カンガルーの小部屋

  • 2010.02.21

    散歩のたのしみ うぐいすいろ

    ひさしぶりによく晴れた暖かな朝。

    家族みんなで、お散歩に出かけます。

    しばらく歩くと、うぐいす色の鳥が木々を渡り歩きます。

    その鳴き声は、まだ発売前なのか聴かれませんが、愛らしい姿を収めようとカメラを構えますと、次の枝に移ります。

    追いかけて数歩移動しますと、また次の木の枝に跳び移ります。

    「ハッちゃんを連れてると、無理やで」と言われて、視線を下に移すと前から他者のイヌ。

    ベストショットを得られないままに先を急ぎました。

    帰ってインターネットのWikipediaを調べますと、「うぐいす」はうぐいす色ではなく、鶯茶。うぐいす色の鳥は、「めじろ」ということで、写真をお借りしました。

    庭の隅に目を向けますと、梅が咲き始めていました。

    今年の春は、こうして我が家にやってきました。

                           2010年2月21日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.21

    カンガルーの本棚 ワーキングプア

    文庫本で売り出されたのを機会に、ポプラ文庫の「ワーキングプア」を読みました。

    2006年7月と12月にNHKで放送された番組を出版化したものです。

    放送時に感じたおどろきは、今もこころの中にしっかりとしまわれています。

    ホームレス化する若者、地方経済の疲弊、貧困の嵐に翻弄される子ども。

    読み進むうちに、悲しみと、怒りと、無力感がわたしを襲います。

    あとがきの中で、中嶋太一氏はある女性ディレクターのメールを紹介されています。

    「番組のラストコメントの打ち合わせの時、私はこう話しました。『誰もがいつまでも、若く、健康で、自分の力だけで生きられるというのは幻想です。しかし、国や企業はそうした幻想で、パーフェクトな個人主義の人間だけで社会を構成しようとしているかに見えます』と。これは私の家族の絶望からの実感でした。わが家を振り返ってみて、誤解を恐れずに言えば、人にはどうしようもない運命、というものはあるのだと思います。でも、その人自身の運命を大きく変えるのは無理だったとしても、その運命を支えている社会は、すこしでも何かできるかもしれない。『あなたは必要な命だ』と言ってあげられるかもしれないと思います。」

    放送されてから、3年が過ぎました。この間に政権交代という大きな流れが起きました。

    しかし、3年が過ぎ、テレビや文庫本の中で紹介された方々は、いまどのような暮らしをされているのでしょう。なにが変わったのでしょう。

    医療生協・民医連で働く医師のひとりとして、こころを熱くさせてくれる一冊でした。

                           2010年2月21日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.21

    かんがるうっ子 わたしはマーライオン・パートⅡ

    マーライオンの翌日、再現シーンの写真を撮らせてねと、洗面所にいきますと、

    「今日はあたまがマーライオンやから。」と言いながらも、撮影に応じてくれました。

    水をいっぱいお口に含んで、カメラはスポーツシーンモードに。

    「よーい、スタート」の合図で、マーライオンに挑戦です。

    しかし悲しいかなデジカメは、シャッターが切れるタイミングが微妙にずれます。

    一度目は失敗。もう一度お願いしてトライしますが、これまた失敗。3度目の正直ということで、再度トライしますが、どうしてもタイミングが合いません。

    「もうやめて。」これ以上続けると、むせてしまい、虐待の世界に入りそうなので、残念ですが撮影会はこれでおしまいに。

    あなたはおとうさんに似て、本当にノリのいい子ですね。

    そんなところも大好きですよ。

                           2010年2月21日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.21

    かんがるうっ子 わたしはマーライオン

    お出かけ前の洗面所から、子どもの笑い声がきこえます。

    どうしたのかとそばに行きますと、歯を磨いたあとのすすぎ水を、口からヒューっと噴き出します。

    「わたしは、マーライオン。」

    何でも遊びにつなげる想像力の豊かさには感心しますが、勢いよく吹き出して、前の鏡を汚してしまうと、おこられて、目から涙が吹き出すことになりますよ。

                           2010年2月21日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.21

    かんがるう目線 臨床美術

    起きぬけの頭で、おもしろいテレビ番組を見ました。

    「カラダのキモチ」という番組です。

    今日のテーマは、臨床美術。上手な絵を書く技法ではありません。脳の司令塔と言われる前頭前野を活性化させる美術です。

    通常、わたし達がリンゴや、とら、家、月、星を書くときには、その特徴を象徴化した記号として書いているとのことです。この書き方では、前頭前野は殆ど活性化されません。

    臨床美術では、リンゴの香り、味、質感を感じ取ります。つぼみから、実になり大きく育っていく過程を想像します。そして、それを絵で表現します。それがしっかりと脳を使うと言うことだとのこと。

    「ネガポジ画」という手法にも、ふれられていました。

    ものを描くときに、その形ではなく、ものが占有している周囲の空間の形から描いていく、

    発想の転換です。とてもおもしろい考え方だと思いました。

    相手の気持ちになって考える、今までと反対の立場から世の中を見てみる。これはなにも臨床美術の世界に限ったことではありません。

    おさんぽで、ハッちゃんにおやつをあげるシーンを「ネガポジ」発想で書いてみましょうか。

    「今日は道路が凍っていて、肉珠が冷たいなっ。でも、公園の草のところは、だんだんと柔らかくなってきたかな。あれ、おかあさんが、袋をごそごそとしだしたぞ。お菓子かな。ササミのにおいだ。やった!おやつだ!おやつだ!あれっ、なぜくれないんだろ。そうか、お座りしなくっちゃ。おかあさん、見て、見て。僕お座りしているよ。はやく、ちょうだい、ちょうだい・・」やっぱりイヌものの文章ではパターン化しすぎて、脳の活性化は今ひとつですね。

    記号化しない考え方、今までの自分の経験にとらわれすぎない考え方。

    そんな毎日が過ごせると、素敵だなと思いました。

                           2010年2月21日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏