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2010.03.25
聴診器のむこうに うさぎ係いいですか
2年生の男の子が来られました。
座るなり手帳を開き「目がパチパチします。目薬をください」と言います。
「わかりました。ほかには何か・・」と言いますと、手帳を見ながら頭を整理中。
おかあさんに「聞きたいことがあるんでしょ」と促され、「うさぎの飼育係してもいいですか」と質問します。
カルテを繰り、アレルギーの有無を調べます。
「大丈夫だと思うよ。もし症状が出てもたいしたことないと思うから」と伝えますと、うれしそうな顔。
おかあさんが「飼育係は4年生からなんですよ。」と笑いながら言われます。
なんで、1年以上先のことが最重要質問事項なのかなと不思議でした。
「少年老い易く、うさぎ係なりがたし。」このことわざを思い出し、男の子の気持ちが少し分かったような気持ちがしました。
2010年3月25日
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2010.03.24
7+8= そーいうことだったのか
雨の日のお散歩は、ショートカット。
チーだけ済ませると帰ります。
ハッちゃんのぬれた体を拭くのはわたしの役目。
お菓子を鼻先に気を散らし、雨を拭き取ります。
しかし、ハッちゃんの視線は、窓の外。
リビングを見つめて動きません。
しかたなく携帯を鳴らしておかあさんに来てもらいます。
おかあさんの影が見えると、ハッちゃんの尻尾が次第に激しく振られます。
「そーいうことだったのか。ハッちゃん。」
我が家でのわたしの支持率は、こうして30%台に下がります。
2010年3月24日
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2010.03.24
カンガルー目線 ご卒業おめでとうございます
細やかな雨が降っています。
テレビでは2月中旬から3月上旬の気温になるとのこと。
市内では、今日、小学校の卒業式を迎えます。
おとうさん、おかあさんは、お仕事のお休みをされたでしょうか。
おかあさんは、いつもより念入りのお化粧をされ、いつもよりおしゃれな服に袖をとおされます。
背が伸び始めたばかりの男の子は、「卒業式っ。そんなのいつもどおりのことさ」と、少しおとなぶっているのでしょうか。
髪型が気になりだした女の子は、お友だちとどんな約束をしようかと、想いをめぐらしているのでしょうか。
それぞれが、それぞれの想いをいだきながら、卒業式の朝を迎えます。
外は細やかな雨が降っています。
君たち、あなたたちの人生の歩みの中で、この雨の日の卒業式が、忘れることのできない一日となりますように。
ご卒業、おめでとうございます。
2010年3月24日
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2010.03.23
聴診器のむこうに 愛される開業医に
この4月に中学生になる男の子が来られました。
難関私立中学を受験し、みごとに合格。
「大人になったら、何になるの?毒薬を作る科学者かな?」と尋ねますと、「いいえ」
「政治家かな」と尋ねますと、「いいえ。」
「じゃ、悪いお医者さんかな?」と言いますと、「いいえ。」
「だったら、何になるのかな?」と尋ねますと、「みんなに愛される開業医になります。」
冗談ばかり言う、ヘンな小児科医としては、少しばかり恥ずかしくなりました。
しっかり勉強して、夢を実現してくださいね。
2010年3月23日
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2010.03.23
かんがるうっ子 下界はどこじゃ
わたしの住まいは、市街地から北を見ると、六甲山系の尾根線の一角にあたります。
そのため、クリニックとは3度近く気温が下がります。
お昼からの会議出かけるときに、「この服装では寒いかな」と相談しますと、「下界に降りるから、暑いぐらいじゃないの」とのアドバイス。
それを聞いていた子どもが「下界って、亡くなること?」と尋ねます。
縁起でもないことを言うなと思っていますと、「あっ、そうか。下界じゃなくて、他界か」と言います。
「じゃ、下界って何?」と続けて聞きますので、「上の方の、ほら天国から見て、下の方にあるところ」と回答しますと、「それって、地獄のこと?」
おいおい、それではさがりすぎでしょ。
天国、下界、地獄。物事にはあいだと言うものがあります。
クリニックは、わたしの住まいからは下界にあたります。
でも、残念ながら外科医は不在です。
2010年3月20日
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2010.03.22
カンガルーの本棚 みおつくし料理帖パート2
連休中に、高田郁さんの「みおつくし料理帖」の続編を読みました。
「花散らしの雨」と、「想い雲」の2冊です。
それぞれが4つの短編から成り立っています。
親子の愛、兄弟の愛、そして幼くして別れた幼なじみとの愛。
澪や澪を取りまく人々の細やかな人情の流れとともに、物語は進んでいきます。
なかでも、大坂で別れた野江とのつかの間の再開を描いた「想い雲」は、秀逸です。
吉原中町の喧噪や、お囃子の音、白狐の面に託された想い。
映画の一シーンを見る思いがしました。
2010年3月22日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.03.22
クリニックだより 急病診療所に出かけました
3月22日、連休の最終日に神戸市の急病診療所に出かけました。
インフルエンザはすっかりと影をひそめ、かわりに発熱の患者さんと、下痢嘔吐の患者さんが多数来院されました。
発熱の患者さんの中には、溶連菌検査が陽性の方がおられました。
発熱が続き、体全体に細かい発疹が出てくると、要注意です。
下痢嘔吐は、ご家庭での看病がポイントになります。
1月20日、1月24日のブログをお読みください。
明日3月23日の午前診は、高木医師が担当いたします。
午後からの診察はありませんので、よろしくお願いいたします。
2010年3月22日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.03.21
カンガルーの本棚 みおつくし料理帖
高田郁さんの、みおつくし料理帖シリーズ第一作目「八朔の雪」を読みました。
かかりつけの本屋さんに平積みされ、気になっていた一冊です。
作者のサイン入りと銘打って、最新作が並べられていたのがご縁となりました。
下がり眉の澪(みお)が、天性の味覚と負けん気で、料理の腕を磨いていきます。
澪を見守るおとな達の細やかな人情が、涙腺を刺激します。
小説にはいろいろな読み方がありますが、主人公の生き方に肩入れができればページが進みます。
読み進むうちに、電車や大型店の中の喧噪も、大江戸のざわめきに変わります。
専門書を読む気持ちを後回しにさせる、こころにくい一冊です。
2010年3月21日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.03.21
7+8= あごが疲れたよ
あごが疲れたよ
外に出ると、薄青と、濃紺とのグラディエーションの夕空に、三日月が鋭く光っています。
黄砂の春がすみはどこにいったのでしょう。
わずかの時間に、季節は数か月、後戻りをしてしまいました。
おすもう公園に出かけると、ハッちゃんが306個目のボールをゲット。
昨日の硬式野球のボールをかみ疲れたのか、すぐにボールを離してしまいます。
一日、お留守番、ごくろうさん。
おやつは何がいいですか。
2010年3月21日
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2010.03.21
散歩のたのしみ 黄砂情報
嵐が通り過ぎた朝、いつもより遅くお散歩に出かけました。
近所のお庭の木蓮を見上げると、一晩のうちにつぼみがふくらみ始めています。
いつもなら、春の日差しを送りつける太陽が、今朝は元気がありません。
黄砂かも!
帰ってニュースを見ますと、20日夜遅くから黄砂が飛来するという予報です。
黄砂は、遠く中国の砂漠地帯から運ばれてきます。
ネットのWikipediaを調べますと、「黄砂の粒の大きさは0.5µm(マイクロメートル) – 5µm(=0.0005mm – 0.005mm)くらいで、タバコの煙の粒子の直径 (0.2 – 0.5µm) よりやや大きく、人間の赤血球の直径 (6 – 8µm) よりやや小さいくらい。」と書かれています。
黄砂の日には、花粉症や喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギーが悪くなると言われています。
飛来するうちに、いろいろな化学物質を身にまとうからではないかという説が有力です。
お散歩にも、マスクが必要な季節になりました。
2010年3月21日
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2010.03.20
7+8= 強い風にもめげず
夜になるほど、風が強く吹きます。
公園に出ると、台風のときのように木々がざわめきます。
植え込みに近づくと、ハッちゃんが強くリードを引っ張ります。
何かある時のサインです。
3m四方の植え込みを、右に左に、上に下にと大探索。
テニスボールをくわえて、きっちりと結果を出します。
今朝の発見分を入れて、これで305個目の到達点です。
帰ってから、見つけたボールを鼻に近づけてにおいを嗅いでみました。
長い間草の間に隠れていたからでしょうか。
ひなたのにおいだけが伝わります。
ハッちゃん、ご苦労様。
おみやげに持って帰った、お弁当の残りのおさかなを、食べてくださいね。
2010年3月20日
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2010.03.20
聴診器のむこうに どっちもどっち
風邪をひき始めた高学年の女の子が来られました。
「漢方薬の葛根湯が効くよ。」と言いますと、「麻黄湯と、どっちが苦いですか?」と質問します。
「そうね、白鵬と朝青龍との差かな」と言いますと、「???」
「だったら、キムヨナと真央ちゃんとの差かな」と言い直しますと、再び「???」
おかあさんが「先生は、どっちもどっちということを言われているんですよ」とフォローに入られました。
風邪でつらそうな女の子には、よけいに頭が痛くなるたとえになったようです。
2010年3月20日
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2010.03.20
7+8= 自動草刈り機ナナ号
先日はドングリを食べたばかりのナナちゃん
今朝は、石垣に生えている草を食べるのに夢中です。
5mくらいの間を、自動草刈り機のように食べ続けます。
昨年、奈良市へ講演に出かけたときに、主催者の方から「市役所の近くでは、草刈りはしなくてもすむのですよ。」と言われたことを思い出します。
奈良には鹿がいますが、神戸市北区には、角がない白い鹿が住んでいます。
2010年3月19日
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2010.03.20
カンガルーの本棚 青春とはなんだ
重松清さんの「青春夜明け前」(講談社文庫)を読みました。
文庫本の帯に、「妻よ、娘たちよ、そして、あの頃好きだったカノジョたちよ。これが男子だ!」と書かれています。
ご存じのように、重松さんは、子どもや家族の気持ちを描くと当代ピカイチの作家。
子ども達の気持ちを、子ども達以上にご存じです。
この本は、エロくてほろ苦い青春少し手前を、おもしろく描いた7編の短編集です。
男の子のことが、少し分からなくなってきたおかあさん方に、おすすめです。
でも、あくまでも小説の中の出来事ですので、信じすぎないよう、ご用心、ご用心。
2010年3月20日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.03.20
7+8= 重くてかなワン
3月になって初めて、ハッちゃんがボールを見つけました。
硬式野球のボールと、テニスボールの二つです。
傾斜地の落ち葉の中から見つけました。
しばらくはうれしくて、くわえて離しません。
でも、硬式野球のボールは重くて、「もう、かなワンです」とでも言うかのように、地面に落としました。
二つ目のテニスボールは、少しくわえただけでギブアップ。
ハッちゃん、303個目、304個目のボールは、どんな味がしましたか。
2010年3月20日
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2010.03.19
クリニックだより おかあさん教室を開きました(3月18日)
3月18日、おかあさん教室を開きました。
今回は7名のおかあさん方にご参加いただきました。
4月からの給食を前に、油の使い回しは大丈夫なのか、蛋白加水分解物はどういったものなのかという、簡単にはお答えできない内容の質問をお受けしました。
また、お弁当をランチジャーに入れて持っていくときに、ふたを開ける練習をさせたところ、ジャーを縦にして開けてしまったという予想外の出来事の報告もありました。
0才~4才までの小さな子どもさんのおかあさんからは、ワクチンについての質問や、HRT検査の読み方、考え方の質問がありました。
また、喘息発作の見分け方、対処の仕方の質問もありました。
次回は、4月1日(木)930から開きます。
当日はエイプリルフールですので、だまされないよう、ご用心してご参加ください。
お母さん方のご参加をお待ちしております。
2010年3月19日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.03.19
クリニックだより 3回目のカンガルーの会
春から夏にかけての子どもイベントの相談をしました。
4月企画の「レンゲ畑にピクニック」は、会場の田んぼをお借りする交渉中です。
場所が決まり次第、日程を決めさせていただきます。
6月企画の「いも植えと、アレルギー食実践講座」は、6月13日(日)を予定しています。会場は、明石のひまわり診療所の周辺です。
植えた芋づるが育った頃に、いもほり大会ができればいいなと考えています。
8月企画の「いたやど小学校盆踊り」は、8月22日(日)を予定しています。
どの企画も、詳細が決まり次第、ブログやチラシ、クリニックでの掲示物などでお知らせいたします。
みなさま方のご意見やご参加を、お待ちしています。
よろしくお願いいたします。
2010年3月19日
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2010.03.19
聴診器のむこうに 手の甲のメモ
中学2年生の男の子が来られました。
診察を終え、左手の甲を見ますと、マジックで「バラ肉 買う」と書いてあります。
お使いを頼まれたのかと思い尋ねますと、「いいえ、学校で、みんなで一緒に食べるものを作るので」と答えます。
「何を作るの?」と問いかけますと、お好み焼きという答え。
わたしの大好物です。バラ肉抜きのお好み焼きはおいしくありません。バラ肉買い係りはとても重要な係りです。
「じゃ、今から買いに行くんだ」と尋ねますと、「水曜日に」と答えます。
えっ、水曜日!。今日は木曜の夜だから、金曜、土曜、日曜、月曜、火曜、水曜とあと6日間。顔を洗ったり、お風呂に入るたびに、手の甲のメモは消えそうになります。
そのたびに、もう一度、メモを書き直すのでしょうか。
手の甲のメモの行く末が、とても気になる診察になりました。
2010年3月19日
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2010.03.18
かんがるうっ子 おおきくなあれ
回覧板をご近所に渡しにいきますと、フォーマルな服装のおかあさんに出会います。
胸には、色とりどりのコサージュが風になびき、おかあさんのまわりを、子どもが跳ね回ります。
「あれっ、もしかして」と思い、バス道をはさんだ幼稚園を見ますと、正門はきれいな飾りつけ。
おとうさん、おかあさんが、子どもと写真を撮られています。
そう、今日は幼稚園の卒園式。
うれしくって、ほこらしくって、おすましをして、それでいて少しだけヘン。
おとなも子どもも、みんなが主人公。特別な一日です。
子どもが卒園してから、4年がたちました。
ワクワク感や、ドキドキ感は忘れてしまいました。
でも、おとうさんやおかあさん、子ども達の姿を見ていますと、その時の気持ちがよみがえります。
みんな元気で、おおきくなあれ。
2010年3月18日
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2010.03.18
聴診器のむこうに ピカチュー
1才過ぎの男の子を診察していますと、「ピカチュー」と言います。
「えっ、ピカチュー。」聞き間違いかと思い、指さす方向を見ますと、確かにピカチューのお面が壁にかけてあります。
「おにいちゃんがポケモンが大好きなので、覚えてしまって・・」とおかあさんの言葉。
子どもは、身の回りの言葉から覚えます。
それをマンマやネンネ、ワンワン、ブーブなど、繰り返し言葉で表します。
「ピカチュー」と言う言葉は、発音的にもかなり難しい音の組み合わせです。
恐るべし、おにいさんの教育成果。
きっとお互いが大好きなご兄弟なのでしょう。
おにいさん、つぎは「いたやどクリニック」を教えてくださいね。
2010年3月18日