カンガルーの小部屋

2010年 3月

  • 2010.03.04

    聴診器のむこうに 素敵な笑顔

    20才の青年が来られました。

    駐車場から、電動車椅子を操縦しての登場です。

    おかあさんに、数枚の写真を見せていただきました。

    振り袖姿のおじょうさん方に囲まれた、素敵な笑顔の写真です。

    小学校6年生のときの、同級生の女の子が「二十才になったときに、会いましょうね。」という約束をしてくれました。

    その約束を覚えていてくれて、成人式の会場で再開が実現したわけです。

    青年は言葉を理解することができるのですが、自らは発語できません。

    それでも写真に写った姿は、いつもの前屈みではなく、背筋をしっかりと伸ばして、満面に笑みを浮かべたカメラ目線です。

    こんな素敵な笑顔の青年を、これまでの診察では見たことがありません。

    よかったね。本当によかったですね。

    おじょうさん方の優しさにも、感謝、感謝です。

    おひなさまの日にふさわしい、素敵な写真を見せていただき、わたしも幸せな気持ちになりました。

                           2010年3月4日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.04

    新入生学校給食相談会を開きました

    3月2日、3日の両日、4月から小学校に入学される方の、給食相談会を開きました。

    神戸市内の4つの小学校から、校長先生、教頭先生、学年担当の先生、養護の先生、栄養の先生にお集まりいただき、学校ごとに90分~120分懇談をしました。

    ①入学される子どもさんの食物アレルギーの現状

    ②食物アナフィラキシーがおきたときの対応策

    ③食物アナフィラキシーがおきないための対策

    ④クラスの中で心地よく過ごすために

    の4つの柱を中心に、医学的な説明をさせていただき、引き続き各小学校で具体的にできることを相談しました。

    仕事を終えられ、夜遅くまでおつき合いいただけました先生方には、深く感謝を申し上げます。

    子ども達の心身の安全と幸せのために、今後ともよろしくお願いいたします。

                           2010年3月4日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.03

    クリニックだより ビオラが咲きました

    近くのクリニックよりいただいたビオラが、枯れかかりました。

    診察室の暖かさが、合わなかったのでしょう。

    年末に看護師さんのおうちに里子に出すことにしました。

    それから、2か月。

    すっかり忘れていたのですが、今日元気を回復したビオラの写真を見せていだきました。

    きれいな姿で、春を迎えることができ、よかったですね。

    看護師さんの、花への愛情には深いものを感じます。

    「ところで、旦那さんへの愛情は?」とお聞きしますと、「・・・」微妙な空気が流れました。

    「他山の石。人の振りみて、我が振り直せ。」という名言がありますが、ビオラを見て我が振りを見つめ直すことにしました。

                           2010年3月3日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.03

    散歩のたのしみ キュイン

    雨あがりの朝は、お散歩もラッシュ時を迎えます。

    四つ角のむこうには飼いイヌが、「ウー、ワン。」

    右手には、大きな黒いイヌが、「ウーッ、ウーッ。」

    二匹を避けようと、急いでカーブを切りますと、足元で「キュイン。」

    ハッちゃんの足を踏んでいました。

    以前なら興奮して、前後見境なくお尻や脚をガブリとしましたが、尻尾を下げてトボトボと歩きます。ゴメンね、ハッちゃん。

    夜にこの話をして歩いていますと、子どもの足がわたしの足の上に。

    「キュイン。」

    故意か偶然なのか分かりませんが、早くあなたの足をのけてくださいね。

                           2010年3月2日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.03

    クリニックだより おひなさま

    今日3月3日は、桃の節句。

    クリニックでは、3月になってから、おひなさまの木目込み壁飾りを飾っています。

    3日を過ぎると、片づけるという風習がありますが、これではあまりにもかわいそう。

    旧暦の4月3日まで、お披露目しようと考えていますが・・

    看護師さんの意見もお聞きして決めたいと思っています。

                           2010年3月3日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.02

    聴診器のむこうに 動物くん勢ぞろい

    「まあ、たくさん並べてしまって・・すみません。」子どもさんの診察がおわり、おかあさんへ説明をしているわずかの間に、診察ベッドの上は動物くんの行列です。

    「いいよ、いいよ、かたづけても次の子がまた並べてくれるから。」とおかあさんにお伝えします。

    診察のあいだ、おもちゃ箱から机の上、机の上からおもちゃ箱へと、動物くんは何度忙しく往復することでしょう。

    今回は、特に見事に整列していましたので、記念写真を一枚撮らせてもらいました。

    「動物や怪獣が好きですので・・」と、おかあさんが謝られますので、「怪獣が好きなのっ、ぼく。先生のうちにも怪獣がいるよ。奥さんと言いますが・・」と返答しました。

    おかあさんにはおおうけでしたが、子どもさんはきょとんとした顔。

    おそろしいものは、怪獣など想像上の生き物などではありません。

    本当におそろしいものは、わたしの表も裏も知りつくしている、実際に目の前にいる生き物なのだという真理に気づくためには、子ども君、もう少し修行が必要なのでしょうね。

                           2010年3月2日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.02

    聴診器のむこうに 200kg

    肺機能を測定するために、まずは基礎データとして身長と体重とを計ります。

    「わあ、200キロ」というこえが聞こえます。

    確かめに行きますと、デジタル体重計の表示は「20.0kg」

    双子の男の子が、「200キロ、200キロ」とうれしそうに叫びます。

    顔つきも体格も、そして声までもがそっくりですので、200キロという声が、ステレオ音声となって届きます。

    「なにを食べたら200キロになるの」と尋ねますと、「ポテトチップスに、おせんべい4枚に・・」と、続きます。

    学校に行ったら、まずは体重の読みとり方を勉強してくださいね。

    それとステレオ音声のわざは、まわりの人の混乱させてしまうことがありますので、用量用法には十分に注意してくださいね。

                           2010年3月2日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.01

    かんがるうっ子 笑いくやし泣き

    子どもがテストの答案用紙を見せてくれます。

    漢字の問題で、「ソフボをうやまう」というところが分からなくて、空欄のまま。

    「ソフボって何?」と尋ねます。

    「おじいちゃん、おばあちゃんのことやで。」と教えますと、「なんや、ソフトボールのことかと思って、漢字わかれへんだ。」と言います。しばらくして「笑っていいのやら、悔しいやら」と言いながら、声をあげて笑いくやし泣きをします。

    ミスドに、マクド。おにごに、どスポ。何でも略してしまうから、あなたにはソフボはソフトボールのことと思えたのでしょう。

    いくら考えても、ソフトボールは漢字にはなりません。

    でも、おとうさん的には、そういう発想は大好きですよ。

                           2010年3月1日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.01

    聴診器のむこうに ギラティナやて

    診察が終わり、ドアを開けて出ていこうとする男の子の背中に、「じゃあね、また。ギラティナくん。」と声をかけます。

    ドアの外で「ギラティナやて、おかあさん、ギラティナやて」という男の子のうれしそうな声が聞こえます。

    ギラティナは、ご存じのようにポケモンのスターのひとり。

    かわいくはありませんが、強さで子ども達には人気です。

    ポケモンのTシャツは、ユニクロなどで販売されることがありますが、残念ながら140cmまでのサイズしかありません。

    大人用のものがあれば、診察室で着ることができるのにと探すのですが、見つかりません。

    そう言うわけで、「ギラティナくん」と声をかけたのは、うらやましかったからですよ。

    ギラティナくん。

                           2010年3月1日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.01

    カンガルーの本棚 日本語の不思議さ

    海野凪子さんの「日本人の知らない日本語2」を読みました。

    殆どがマンガで構成されていますので、読むと言うよりは、見ると言う方が正確かも知れません。

    外国の方に日本語を教える、日本語学校の先生が出会った数々のエピソードが紹介されています。

    言葉の誤解、文化の違いから生じる、抱腹ものの出来事。

    その中にも、日本語の成り立ちや、日本の文化がやさしく説明されています。

    濁点や半濁点の成立のなぞ。らぬき言葉の必然性などのうんちくが、おもしろおかしく語られています。

    肩が凝らない、それでいてなかなか味のある一品です。

                           2010年3月1日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.01

    散歩のたのしみ 草木萌え出ずる日

    今日から、やよい3月。

    春の始まりです。

    七十二候では「草木萌え出ずる」日。

    北側の緑道の水仙の花が、ようやくふくらみ始めました。

    日当たりのよい南側の梅の木は、今が満開です。

    遠くで鶯も、ホーホケキョとフルバージョンで鳴いています。

    三寒四温という四文字熟語どおり、お天気が不安定な日が続きます。

    体調をくずされないように、お気をつけください。

                           2010年3月1日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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