カンガルーの小部屋

  • 2010.04.19

    聴診器のむこうに またまた科学者

    名門中学に合格した男の子が、またひとり来られました。

    「将来なにになりたいの。」とお聞きしますと、「科学者です。」という答え。

    先日の男の子も科学者という答えでしたので、クリニックでは科学者が大人気です。

    男の子は喘息で通院されています。

    「研究室にこもって、本を読むだけが科学者ではありません。海に潜ったり、山に登ったりすることで分かる研究もあるのですよ。そのためには身体をしっかりと作ることも忘れないでくださいね。」と、吸入を忘れないように助言しました。

    たまには小児科医らしいことも言うものでしょ。

    ところで、科学者っていうけれど、どこまでが科学者と言えるのかと疑問に思っています。

    「おとうさんは、科学者に入るのかなあ?」と言いますと、「ただの変質者」と子どもが答えました。

                           2010年4月19日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.19

    聴診器のむこうに 飲んでもいいですよカード

    春休みに、4月から2年生になる男の子が来られました。

    牛乳アレルギーがあるために、小さいときから牛乳を避けています。

    練習のおかげで少しずつ飲めるようになりましたが、1年生の時には牛乳パックはパス。

    「で、4月から2年生になってもいいって、校長先生は言われたかな。」と尋ねますと、「???」

    「ほら、通知票に『2年生になってもいいですカード』がはさんであったでしょ。」と続けますと、ますます不安げな顔。

    おかあさんはニコニコ顔で成り行きをみられていましたが、頃合いをみて「先生、加古川では今年からそのカードがなくなったんです。」と、助け船を出されます。

    「じゃ大丈夫だ。2年生になれるんだ。」

    そして2年生からは、おかずだけでなく、「パックの牛乳も飲んでいいですよカード」を差し上げることにしました。

    いまごろは、「飲んでもいいですよカード」を通行手形に、みんなといっしょに笑顔で牛乳を飲んでいるのでしょうね。

                           2010年4月19日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.19

    カンガルーの本棚 子どもは話し方で・・

    福田健さんの「子どもは話し方で9割変わる」(アステ新書)を読みました。

    はじめに15の設問が書かれています。

    □疲れて帰っても、元気よく「ただいま」と声をかけているか

    □近所の人に自分から挨拶しているか

    □一日一回、家族と会話の時間を設けているか

    □「ダメ」ち言う前に、理由を説明しているか

    □自分ひとり、喋っていないか

    □親として、自分の気持ちを正直に伝えているか

    □妻から相談された場合、面倒がらずに相談相手になっているか

    □学校や先生の悪口を子どもの前で言っていないか

    □忙しくて話が聞けないとき、「あっちに行ってなさい」と、追い払っていないか

    □言葉だけでなく、奥にある子どもの気持ちを聞き取れているか

    □家族で決めたルールを子どもが破ったとき、厳しく叱っているか

    □できないことを叱るより、できたところをほめているか

    □子どもに意見を言うように促しているか

    □いじめにあったとき、「いつでもお前の見方だよ」と、子どもを支えているか

    □勉強の出来不出来で、子どもを評価していないか

    福田さんは、大人が子どもとの間で、ていねいなコミュニケーションを持つことができるように、具体例を多く引きながら解説されています。

    上記の15の設問に、あまりチェックが入らない方に、おすすめの一冊です。

                           2010年4月19日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏