-
2010.04.04
カンガルーの本棚 悪いのは・・
香山リカさんの「悪いのは私じゃない症候群」を読みました。
日本社会は古くは「おわびの構造」「自責の構造」が支配的とされてきましたが、最近「他罰的な行動」を取る人が増えてきたと言われています。
職場で、社会で、そして家族の中で、「自分は何も悪くない。悪いのは○○だ」という考えを、香山先生は「悪いのは私じゃない症候群」と名付けられました。
この他罰主義の広がりを、香山先生は自己責任論の裏返しだと分析されます。
少しでも自分に非があれば、「それは自己責任だろう。自分で何とかしろよ」と冷たく言われ、誰も助けてくれない。
「自己責任だ」と責められ、攻撃されることを回避するために、先制攻撃合戦が始まる。やられる前に先にやる。攻撃は最大の防御なり。こうした他罰主義の背景には、強い恐怖や不安が隠れているのではないかと、香山先生は続けられます。
このような「悪いのは私じゃない症候群」への処方箋として、香山先生は「分かち合いの精神」を主張されます。
「幸福とは、他者にとって自分の存在が必要だと思えること。」
「助け合うことは自分が幸せになるために必要だから。」
医療生協の設立の精神にも通じる、大切な視点だ思いました。
2010年4月4日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
-
2010.04.04
聴診器のむこうに あおぞら くん
1歳の男の子のカルテの名前を見ますと、青空くんと書かれています。
素敵な名前でしたので、おかあさんに「どなたがつけられたのですか」とお聞きしました。
おかあさんは「この子です。」と4才のおにいさんの頭をなでられます。
青空がきれいかったので、おにいさんが「あおぞらにしよう。」と言ったそうです。
おにいさんの気持ちを大切にされ、おとうと君に「あおぞら」という名前をつけられたご両親にも乾杯です。
2010年4月4日
-
2010.04.04
かんがるうっ子 土佐文旦(ぶんたん)
春は春の、いろいろな柑橘類が出回ります。
土佐文旦もそのひとつです。ザボンとも言います。
皮が硬いので、子どもの手ではむけません。
時間があるときには、わたしが皮をむく係りです。
皮だけでなく、薄皮も、種まできれいに取り除きますと、子どもが次々に食べます。
「むく人と、食べる人と、分担しよう。」と言います。
こうして搾取というものを、身体で覚えるものなのですね。
2010年4月4日
-
2010.04.03
7+8= 柴に山桜
上の公園の山桜が、ようやく満開を迎えました。
ナナとハッちゃんをベンチに座らせて、和テイストの写真を撮ります。
柴には桜が似合います。
ハッちゃんは、311個目の古いテニスボールを探し出しました。
その場で、かみかみ調理。
お花見のごちそうになりました。
2010年4月3日
-
2010.04.03
クリニックだより きりんが待ってます
こきりんニュースの原稿をお入れいただくボックスが完成しました。
栄養士さんに、1か月以上の年月をかけて作っていただきました。
小児科受付に置いてあります。
きりんさんは、原稿が大好きです。
原稿をどしどし食べさせてあげてくださいね。
2010年4月3日
-
2010.04.03
かんがるうっ子 ゾンビの復活
人工呼吸をして、なぜ生き返るのと子どもが聞きます。
「だって、吐く息は二酸化炭素でしょ。」と疑問点を述べます。
「吐く息は、二酸化炭素が多くなるけど、酸素も含まれているから。」と、おかあさんが解説します。
「そうなん、100%二酸化炭素と思ってたわ。」と、子どもが言います。
人工呼吸をしていて、二酸化炭素で生き返ったとしたら、それはゾンビです。
よく覚えておきましょう。
2010年4月3日
-
2010.04.02
クリニックだより 桜の里
クリニックから北東へ、大学病院に通じる「五位の池線」の両側の桜は、いまが満開時を迎えています。
小児科の入り口にかけてある5月の額縁の絵は、「桜の里」に代わりました。
お越しになられた時には、見てくださいね。
2010年4月2日
-
2010.04.02
聴診器のむこうに ワン・ニャン・チュー
台風なみの大風が吹き荒れた夜は、眠れません。
診察に来られた方に様子をお聞きしますと、みなさん家が揺れ動くほどの大風だったと言われます。
7才の男の子に、「きのうの風で、イヌが飛んでいったのを見たよ。」と言いますと、きょとんとした表情。
「うしろから、ネコも飛んでいったよ。」と続けますと、えっという表情。
「そのあとから、ネズミも飛んでいったしね。」と言いますと、疑わしげな表情に変わります。
「ワン・ニャン・チューって、うるさかったよ。」としめますと、横を向いてしまいました。
もの事は何事も、切り上げ時が大切だということを教わりました。
2010年4月2日
-
2010.04.02
7+8= あとはお願い
春の疾風が過ぎ去った公園。
フェンスの向こうにボールが見えます。
ハッちゃんは、フェンスの網目にしきりに鼻をつっこみますが届きません。
フェンスの反対側は、45度以上の傾斜面。
ハッちゃんが強くリードを引っ張り、フェンスの裏側に回り込みます。
ボールを探すその足で、石を蹴飛ばし、それを追いかけて斜面を走り降りようとします。
滑りやすい雨の朝の斜面。
ハッちゃん、引っ張る。
かなり笑えない状況になりました。
体勢を立て直して、310個目をゲット。
うれしそうに、くわえて歩くのはすこしの間だけ。
重いのか、あとはお願いしま~す。
2010年4月2日
-
2010.04.02
聴診器のむこうに ぼくのランドセルは
もうすぐ、一年生になる女の子がやってきました。
ランドセルが気になりましたので、「ねえねえ、ランドセル何色のを買ったの」と尋ねますと、女の子は「あか~」と少しリズムをつけて答えてくれました。
うしろから3~4才のおとうと君が、すかさず「ぼくは、くろ~」と言います。
あまりのタイミングの良さに、おかしくて笑っていますと、おかあさんが「あなたは、まだ買わないでしょ。」と言われます。
なぜ、おねえさんだけで、ぼくには買ってもらえないのか、おとうと君には得心がいかないようです。
2才前のお孫さんをおもちの看護師さんが、「ラララ、ランドセルは・・・というランドセルのコマーシャルが好きなんですよ。」と唱われます。
ランドセルは、学用品を運ぶだけではなく、子どもの夢を運ぶ魔法の箱のようです。
2010年4月2日
-
2010.04.01
クリニックだより おかあさん教室 4月1日号
おかあさん教室を開きました。
エイプリル・フールということで、本当にあるのかなと心配されながらお越しになられたおかあさんもありましたが、9名の方の参加をいただきました。
うち8名の方は、この4月から1年生。
入学前の打ち合わせをしました。
また、神戸市の4月給食献立を使って、卵白、牛乳、小麦アレルギーの方の注意点を説明しました。
4月8日が入学式。13日火曜日から給食が始まります。
次回おかあさん教室は、4月15日木曜日です。
よろしくお願いいたします。
2010年4月1日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
-
2010.04.01
かんがるうっ子 10点満点で
玄関先でおかあさんに「晩ご飯いるの?」と聞かれます。
えっ、今日の予定は「おかあさん教室」のあと、「ピロリ菌」の職員勉強会があって、「新入職員の入職式」に顔を出すかどうか考えて、そのあとは外来診療。
「たしか、ご飯は家で食べるはず」と考えていますと、エイプリル・フールに引っかかったことに気がつきました。
子どもがうしろから「おとうさん、今日は患者さんにもウソつくん?」と、つっこみをいれます。
「・・・」それが悩みどころです。
改めて振り返ると、本当のことばかり話しているわけではありません。ウソばかりでもありません。
エイプリル・フールだけでなく、いつも冗談と本当のところとを織り交ぜてお話ししますので、分かりにくい説明になるときがあるかと思います。
もし、ご不安になられたときは「いまの説明は10点満点にして、うそが何点で、本当が何点ですか?」と、尋ねてくださいね。
四捨五入をしないで、小数第一位までの数字でお答えすることにしますので。
2010年4月1日
-
2010.04.01
聴診器のむこうに おすわりできたよ
7才の男の子が来られました。
2月17日のブログで紹介しました、おとうと君に「お手」を教えたおにいさんです。
「今度はおすわりを教えてね。」という、わたしのミッションを見事にクリア。
おとうと君は、おすわりができるようになりました。
おとうと君が大きくなったときに、ブログを見てどう思うのかと、少し心配になりました。
2010年4月1日
-
2010.04.01
かんがるうっ子 エイプリル・降る
卯月4月
朝から細かい雨が降ります。
なるほど、それで「エイプリル・降る」なのかと言いますと、ナナにジロリとにらまれました。
暖かくなるとの予報なので、軽装で出かけることにしました。
「おかあさん、カッター(カッターシャツ)どこにある?」と言いますと、子どもがだまって「カッター(カッターナイフ)」を渡します。
思わず「どこで買った~」と尋ねました。
もう一つおまけに、シャツやカッターを売っているお店は、「もうカッターのでしょうか。」
お読みいただいたみなさま、おつかれさまでした。
2010年4月1日