カンガルーの小部屋

  • 2010.07.13

    カンガルーの本棚 食べて治す食物アレルギー

    栗原和幸先生の「食べて治す食物アレルギー:特異的経口耐性誘導」(診断と治療社)を読みました。

    先の日本アレルギー学会で購入したのですが、つんどく状態が続き、読了が遅れました。

    除去一辺倒だった食物アレルギーの治療の世界に、「食べて治す」という考え方が拡がってきました。

    栗原先生の著書は、その流れを2010年の時点で整理された労作です。

    わたしが17年来行ってきた「食べて治す」方法は、緩徐特異的経口耐性誘導法(slow SOTI)

    に位置づけられると紹介されています。

    一方、数年来脚光を浴びている入院をさせて食べさせる方法は、急速特異的経口耐性誘導法(rush SOTI)と、名付けられています。

    いずれの方法も危険性は伴いますが、待つだけの食物アレルギーの治療法から、大きな一歩を踏み出したと思います。

    ただ、緩徐特異的経口耐性誘導法(slow SOTI)は、栗原先生も、「もともと食べられた患者ではないかという疑問に明快に答えることができず、正式な報告ができなかった」と書かれているように、学会発表の精度に達しにくい方法です。

    しかし、食物アレルギーの子どもさんには朗報であることは間違いありませんので、今後とも経験を積み、研究を深めていきたいと思います。

                           2010年7月13日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.07.13

    聴診器のむこうに 怪獣リュック

    3才の男の子は、タコの負荷試験の日。

    かわいいリュックを持っています。

    うしろに怪獣さんが、ついています。

    「おばあちゃんが、作ってくれたんです。」と、おかあさんが言われます。

    「じょうずに作れていますね。よかったね。」と感想を述べますと、男の子はうれしそうな顔をします。

    いつまでも大切に使ってくださいね。

                           2010年7月13日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏