カンガルーの小部屋

  • 2010.09.05

    聴診器のむこうに あたまにタオル

    中学2年生の男の子は、水泳部。

    野球部やサッカー部の子どもが、グラウンドで走り回っている時に、水の中。

    「いいね、冷たくて」と言いますと、「お湯みたいやで」

    「それやったら、タオルと石鹸を持って入ったら」と楽しい会話。

    帰り際にもう一度、「頑張って温泉に入ってくださいね」と励ましますと、「えっ、プールです」

                           2010年9月5日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.09.05

    聴診器のむこうに ごちそうさま

    6才の男の子は、喘息の吸入が終わると、大きな声で「ごちそうさま~」

    看護師さんが「おいしかった?」と尋ねます。

    礼儀正しいけど、少しは違う日本語に、「なるほど、そういう使い方もあるんだ」と、妙に納得しました。

                           2010年9月5日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.09.05

    聴診器のむこうに ゆっくりダラダラと

    3年生の男の子に、夏休みに楽しかったことを尋ねました。

    「おもしろいことない。」と答えるその後ろから、おかあさんが「萩と津和野に旅行したんですよ。」と、話を引き取られます。

    「でも、すぐに旅館に行こう、行こうと言うんです。早く旅館に行って、お風呂に入って、ゆっくりしたいと言うんです。」

    おとうさんひとりが、走り回っておられたとのこと。

    男の子に尋ねると、「家が一番、クーラーをかけて、ゆっくりして、ダラダラが好き。」

    本当に気持ちを込めて答えるので、おかしくなりました。

                           2010年9月5日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.09.05

    聴診器のむこうに 動物園前では気をつけて

    9才の女の子の服装は、しまうま模様のワンピース。

    「動物園の近くでは、気をつけてね。うちのシマウマが逃げたと思われて、つかまえられると困るから。」と注意しました。

    「でも先生、この服、高かったんですよ。メゾピアノって書いてあるでしょ。クマの絵がポイントなんです。」と、おかあさんが言われます。

    あまりの高級品に、しまうまの冗談は、吹っ飛んでしまいます。

    帰って子どもに写真をみせると、「わたしには、あわないから」と、COOPさんのお安いもので十分なよう。

    まずは、財布を押さえて一安心しました。

    でも、何ごとも先行投資が大切です。

    ファッションのセンスが育って、アパレルメーカーの社長さんになるかもしれませんよね。

                           2010年9月5日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.09.05

    7+8= まあるいもの

    よるのおさんぽは、あたりがよくみえません。

    でも、くさむらに、なんだか「まあるいもの」がおちています。

    ちかよって、クンクンクン。

    おとうさんが、フラッシュをたいて、しゃしんをとってくれました。

    スイカかなっ、カボチャかなっ。

    どっちにしても、ぼくはきょうみがありません。

    はやくあるきましょうよ、おとうさん。

                           2010年9月5日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏 

  • 2010.09.05

    散歩のたのしみ 大きな怪人

    プール越しに空を見ると、大きな怪人。

    目と口と、雲の顔。

    時間とともに、左の手も動きます。

    夏空に、おもしろいものを見つけました。

                           2010年9月5日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.09.05

    カンガルーの本棚 すこしずつ

    俵万智さんの「101個目のレモン」(文春文庫)を読みました。

    5月半ばに手元に置き、少しずつ読み進めました。

    あとがきのなかで、俵さんは「すべてをひっくるめた自分自身の三十代が、ここには詰まっているような気がします。」と、書かれています。

    そんなエッセイ集の中で、「絵画あれこれ」というタイトルに集められたエッセイが、わたしは好きです。

    「書きたいものがあるとき、書きたくてしかたがないとき、原稿用紙の白は、無限の可能性をもって歓迎してくれる。けれど、書きたいものが見えないとき、書きたくても書けないとき、その白は、残酷で冷たい鏡となる。」

    12月に発行予定の共同執筆3冊目の「学校生活に必要な食物アレルギーの知識(仮題)」

    この31日にようやく脱稿し、編集者に送付しました。

    ものを書くと言うこと。

    とても魅力的で、苦しいものですね。

                           2010年9月5日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏