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2010.12.05
カンガルギー情報 第47回日本小児アレルギー学会⑨
学会最後は、会長講演です。
広い会場は満席。
立ち見されている先生方も、大勢おられます。
第47回日本小児アレルギー学会の会長は、神奈川県立こども医療センターアレルギー科の栗原和幸先生です。
ご自分のお子さんのアレルギー治療から、免疫療法へ、そして、経口食物耐性誘導法へと、話は進みます。
長く臨床畑を歩いてこられた、栗原先生の熱いお気持ちが伝わり、素晴らしい講演でした。
わたしも、いろいろなところで講演をさせていただく機会に恵まれます。
いい講演だったと言われるお話しができるよう、気持ちを引き締めていこうと思いました。
2010年12月5日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.12.05
カンガルギー情報 第47回日本小児アレルギー学会⑧
二日目午後は、「学童期の喘息治療」のセミナーに参加しました。
重症度に基づく治療と、コントロールレベルに基づく治療の違いが、よく理解できました。
改善の目安を何に置くのか。
そして、治療をどのように調節していくのか。
ひとり一人の喘息の子どもさんを、ていねいに治療していこうという気持ちが、じんわりと沸き上がってくるのを感じました。
これだから、学会参加は止められませんね。
2010年12月5日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.12.05
カンガルギー情報 第47回日本小児アレルギー学会⑦
いよいよ、わたしが発表する番です。
演題は「齲歯予防ペースト剤による、アナフィラキシーの一例」
CPP(カゼイン加水分解物)が入った歯科薬品で、呼吸困難を起こした男の子を報告しました。
歯科医師、歯科衛生士の先生方97名に、牛乳アレルギーについてのアンケートを実施し、その結果も報告しました。
会場からは、同じような経験をされた先生方の報告が相次ぎ、歯科の先生方にご協力いただいたアンケートを、高く評価していただきました。
少し演説をしすぎたかなと思いながら、演壇を降りました。
2010年12月5日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.12.05
カンガルギー情報 第47回日本小児アレルギー学会⑥
シンポジウムを中座し、急ぎ足で「アナフィラキシー」の会場へ。
7才の男の子の、繰り返すアナフィラキシーの原因を調べようと、苦心をされます。
どうも、前の夜に納豆を食べていることが、共通項として浮かび上がってきました。
そこで、納豆の負荷試験を試みられます。
でも、反応はみられません。
納豆を用いての皮膚テストも陰性です。
男の子は、離島出身。
同じ納豆でも、離島には、賞味期限ぎりぎりに届くことに気がつかれました。
今度は、少し古くなった納豆を使っての負荷試験。
見事に、即時型食物アレルギー症状が再現されました。
男の子のアナフィラキシーの原因を調べようとされる先生方の執念。
そして、遠方から通院され続けたご家族のお気持ちに、頭がさがる思いがしました。
2010年12月5日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.12.05
カンガルギー情報 第47回日本小児アレルギー学会⑤
小児アレルギー学会二日目は、「アレルギー疾患患児の教育と生活を考える」シンポジウムに参加しました。
1番目は、「学校生活でのアレルギー児を支えるNPOの試み」です。
講演会活動など、多彩な活動をされ、わたしが神戸で個人的に行っている活動に、相通じるものがあり、共感できました。
ただ、おかあさんからみて、理解が進まない学校現場はいらだたしく、ともすれば対立的にとらえられるのは、しかたがない事かも知れません。
しかし、自然学校の取り組みは、5年生になってはじめておきるわけではありません。
1年生から5年生までの5年間の準備期間に、どれだけ信頼と共感とを構築していけるのかが、問われているのではないかと思います。
この主旨の質問をさせていただきました。
2番目は、「食物アレルギーサインプレートの普及活動について」
サインプレートは、子どもの食物アレルギーを自己開示するツールです。
かわいい図柄のプレートを着けることで、周囲のおかあさん方の理解と協力を得ることができる、すばらしい取り組みだと思いました。
2010年12月5日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.12.05
カンガルギー情報 第47回日本小児アレルギー学会④
学会が終わると、兵庫食物アレルギー研究会のメンバー10人で、横浜中華街に繰り出しました。
お酒を飲みながら、話し合うのは学会一日目に印象に残ったこと。
最後に、ひとり一人、来年の抱負を語り合いました。
喘息の一酸化窒素(NO)測定に基づく治療
急速経口耐性獲得法のパンフレット化
段階的経口耐性獲得法の確立
外来での経口耐性獲得法のありかた
アレルギー学会専門医試験への挑戦
などなど、楽しみな一年になりそうです。
最後に、兵庫食物アレルギー研究会の予定を確認し、懇親会を終えました。
自分の言葉で、学会で見聞きしたことや、いま自分がしている仕事をふりかえること。
とても貴重なひとときでした。
2010年12月5日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏