カンガルーの小部屋

  • 2011.06.27

    7+8= こわくって

    お外で、大きな音がします。

    ヒューヒュー、ゴロゴロ。

    私は雷さんが、大嫌いです。

    おとうさんも、おかあさんも、わたしが怖がっているのに、グーグー寝ています。

    私は、勇気を奮って、生まれて初めて階段を登ります。

    「おとうさん、こわいよ~」

    おとうさんの寝ている部屋のドアを、ガリガリします。

    「えっ、ナナ、どうしたの?、なんで、ここにいるの?」

    おとうさんが、驚いておきてきます。

    そして、抱っこしてくれます。

    でも、わたしの震えは、止まりません。

    「『窮鳥懐に入れば猟師も殺さず』やねえ」

    おとうさんは分けが分からないことを言って、寝る部屋に入れてくれます。

    私は急いで、部屋の隅の、押し入れの中に隠れます。

    時計はまだ、4時前。

    「総代会で、居眠りするかもしれないなあ」おとうさんのため息が、聞こえます。

    2011年6月27日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏