カンガルーの小部屋

  • 2011.08.14

    カンガルーの本棚 ひとときの涼風

    重松清さんの「季節風・秋」(文春文庫)を読みました。

    冬から始まった「季節風シリーズ」も、この本で終わりです。

    ゆっくりと読みたいような、早く読み進みたいような、そんな心温まる12の掌編集。

    転校生の心の動きを描いた「サンマの煙」

    人には同じゴールがない事をさりげなく描いた「よーい、どん!」

    そして、別れていく家族として最後の夕食を描いた「少しだけ欠けた月」

    秋の気配さえ感じ取れない猛暑の中。

    小説の中には、心をいやす涼風が吹いています。

    2011年8月14日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏