カンガルーの小部屋

  • 2012.06.22

    カンガルーの本棚 いろいろな気持ち

    石川幹人さんの、「人は感情によって進化した」(ディスカバー携書)を、読みました。

    感情と環境との関係について、石川さんは「かっての生活環境にふさわしい形で、感情がつくられている。狩猟採取社会にふさわしい感情が、文明社会にも生きている。」と、述べられています。

    捕食者から逃げる「恐怖」は早い段階で、

    個体の上下関係を形成する「怒り」や「おびえ」は、群れを形成するようになって、

    協力関係が築かれ、それを維持する役割を担う「罪悪感」や「義理」は、更に進化した段階で。

    毎日、毎時、毎分ごとに目まぐるしく移り動くの感情を、人類の進化の歴史の中で客観視できる一冊です。

    2012年6月22日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏