カンガルーの小部屋

  • 2013.03.14

    かんがるう目線 乳児健診にて

    3月12日、1才6か月健診に保健所へ出向きました。

    担当した22名の子どもの、就寝時間が気になりました。

    ◇19時台 2名

    ◇20時台 5名

    ◇21時台 5名

    ◇22時台 9名

    ◇24時台 1名

    この数字を見られて、みなさんは、どのような印象を持たれるでしょうか。

    21時でも遅いと思うのですが、22時を過ぎる子どもが10名とほぼ半数を占め、

    そのことに衝撃を受けました。

    父親の帰宅が遅いため、子どもも起きて帰りを待っています・・

    フルタイムで働いているので、20時近くの帰宅となり、それから食事・入浴で遅くなる

    障害がある祖父と同居しているために、介護で遅くなります・・

    ご両親の努力でどうにかなる問題と、それだけでは無理な問題が見えてきます。

    子どもに「早寝早起き」の睡眠のリズムを作る大切さは、身体的な成長だけでなく、脳の発育・発達や精神的な安定など、いろいろな角度から立証されています。

    若いご両親に、子どもの脳を育てると言う観点から、その重要性がもっともっと啓蒙される必要があります。

    それとともに、「早く寝かせたくても生活に余裕がない」と言う問題も見逃せません。

    延長保育と言えば聞こえは良いのですが、その実、長時間労働をしなくてはならない現実があります。

    しわ寄せは、子どもの体と脳の発育にのしかかってきます。

    最近、オランダの女性労働についての論説を読む機会がありました。

    日本の女性パート賃金は、正社員の7割程度だと言われています。

    オランダでは、「同一労働・同一賃金制」なので、オランダの女性は、自分のライフスタイルに合わせて自由に働く時間を決めることができます。短時間でもパートタイマーで安心して子育てができる社会です。

    オランダの1才6か月の子どもは、何時頃にベッドに入っているのかなと、知りたくなりました。

    2013年3月14日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏