カンガルーの小部屋

  • 2014.09.15

    カンガルーの本棚 こころに残る会話

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    葉室麟さんの「蜩ノ記」(祥伝社文庫)を、読みました。

    講演会の準備に明け暮れていたので、久しぶりの読書です。

    映画化され、公開日が近いとあって、書店の目立つところに

    平積みされています。

    舞台は、豊後羽根藩。

    ラスト近く、主人公と、住職との会話がこころに残ります。

    「もはや、この世に未練はござりませぬ」

    「未練がないと申すは、この世に残る者の心を気遣うてはおらぬと

    言っておるに等しい。この世をいとおしい、去りとうない、

    と思うて逝かねば、残された者が行き暮れよう」

    第146回直木賞受賞作です。

               2014年9月15日

               いたやどクリニック小児科 木村 彰宏