カンガルーの小部屋

  • 2015.09.07

    カンガルーの本棚 てこじいと一緒

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    湯本香樹実さんの「西日の町」(文春文庫)を、読みました。

    10才の少年と母が暮らすアパートに、

    「てこじい」が、転がり込んできます。

    何も言わず、いつも壁に寄りかかり一日を過ごす「てこじい」

    母の気がおかしくなりかけたとき、

    「てこじい」は、バケツ一杯の赤貝を 海から採ってきます。

    大人になった少年は、

    その貝殻を見るたびに、西日さすアパートを思い出します。

    祖父と、母と、少年との、大切な時間を思い出します。

             2015年9月7日

             いたやどクリニック 木村彰宏