カンガルーの小部屋

  • 2015.11.03

    カンガルーの本棚 そして歩きはじめる

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    宮下奈都さんの「よろこびの歌」(実業之日本社文庫)を読みました

    主人公の玲は、高校2年生。

    志望校に落ち、どうにでもなれという気持ちで通い始めた女子高校

    同級生となじまず、なじもうとせず、余生を過ごそうとします。

    合唱コンクールが、音楽を目指していた彼女の背中を押します。

    なにのために歌うのか、誰のために歌うのか。

    それは、未来のわたしに聞かせるため。

    挫折を味わった少女が、未来への一歩を踏み出す瞬間を描きます。

    高校時代から、ずいぶんと無駄な歩みを積み重ねてきた私の背中を

    優しく後押ししてくれる小説です。

                2015年11月3日

                いたやどクリニック 木村彰宏