カンガルーの小部屋

  • 2016.07.10

    カンガルーの本棚 戦争へと進む道

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    加藤陽子先生の「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」

    (新潮文庫)を、読みました。

    東大教授の加藤先生が、私立中高校の生徒に、

    日本の近代史を講義します。

    日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変、日中戦争、

    太平洋戦争

    この国が経験してきた戦争への過程と、戦後とが

    多くの資料とともに解き明かされます。

    加藤先生はあとがきの中に、このように書き記されます。

    「戦争となれば真っ先に犠牲となるはずの普通の人々が、

    なぜ、自己と国家を過度に重ね合わせ、

    戦争に熱狂してしまうのか」

    500ページ近くの大作を、投票日までに読み上げようと、

    数日間、殆どの時間をこの本と対峙することに使いました。

    「過去を正確に描くことでより良き未来の創造に加担すると

    いう、歴史家の本分にだけは忠実であろうと心がけました。」

    加藤先生の力作が、多くの方に読まれることを望みます。

            2016年7月10日

            いたやどクリニック 木村彰宏