カンガルーの小部屋

  • 2018.08.06

    カンガルーの本棚 生き抜いていく力

    51DJqFDUfZL[1]

    中脇初枝さんの「世界の果てのこどもたち」(講談社文庫)を、読みました。

    主人公は3人の女の子。

    戦争中の満州で、3人は出合います。

    珠子は高知の寒村からやってきた開拓団の一員

    終戦を迎えて、残留孤児として中国の両親とともに生きていきます

    茉莉は横浜の裕福な家庭で生まれ、日本に引き揚げたあと

    空襲で家族と家を失い、戦災孤児として生きていきます。

    美子は朝鮮の貧しい家庭に生まれ、在日朝鮮人として生きていきます。

    文化大革命、恋人との悲しい別れ、朝鮮戦争 

    どんなにつらいことがあっても

    3人を支えたのは、分けあって食べた1個のおむすびの記憶

    そして、誰かに確かに愛されたという記憶

    広島被ばく73年目の今日8月6日

    戦争で失われた、そして戦争を生き抜いた人たちに思いをよせる

    読書になりました。       

         2018年8月6日

          いたやどクリニック 木村彰宏