カンガルーの小部屋

  • 2018.11.09

    カンガルーの本棚 群れて生きる

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    梨木香歩さんの「僕は、そして僕たちはどう生きるか」(岩波現代文庫)を、読みました。

    主人公は14歳の男の子、わけ合って父母と離れ、ひとりで暮らしています。

    学校に行かないという選択をしている友だち宅を訪れて、

    おきる一日の出来事を小説は描きます。

    「人が生きるために、群れは必要だ。

    強制や糾弾のない、許し合える、ゆるやかで温かい絆の群れが。

    人が一人になることも了解してくれる、離れていくことも認めてくれる、

    けど、いつでも迎えてくれる、そんな『いい加減』な群れ」

    最後に、作者はこう記します。

    「この言葉を言う力を、自分につけるために、僕は、考え続けて、生きていく。」と         

    2018年11月9日

    いたやどクリニック 木村彰宏