カンガルーの小部屋

  • 2021.07.28

    かんがるう目線 歓声の影に

    テレビをつけると、どのチャンネルもオリンピックの競技中継一色

    朝のニュースでは、他のニュースはそっちのけで

    日本人選手の活躍が、くりかえしくりかえし放映されます。

    アスリートの方たちが この日のために

    どれだけの汗と涙を流されてきたのかと思うと、胸が熱くなります。

    しかし、どこかで冷めた気持ちでいるわたしがいます。

    この大会を開いていただいてありがとうと言う、感謝の言葉の裏側に

    心ならずも新型コロナに感染し、命を絶たれたひと、後遺症に苦しむひと

    生計が成り立たなくて困窮しているひとの姿を思い浮かべます。

    そのひとたちが、これまでの人生で流した汗や涙のことを思います。

    メダルを取ったアスリートの人生と、

    市井の人々の人生との価値を比べることはできません。

    現実にはメダルのひとつの重さに比べて、

    ひとひとりの命の重さが、ないがしろにされているように思えてなりません。

    どの命も、どの汗や涙も大切です。

    テレビ越しに聞こえる解説者の絶叫に負けないよう、

    コロナ感染で苦しむ人の小さな声に、耳を傾けたいと思います。

    2021年7月28日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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