カンガルーの小部屋

2022年 7月

  • 2022.07.31

    カンガルーの本棚 逃げながら

    宮下絵都さんの「たった、それだけ」を読みました。

    母とわたしを捨てて、失踪した父

    その父を、いつまでも待ち続ける母

    ルイと名付けられた女の子が、転校を繰り返し

    自分を見つめ、自分を取り戻していく

    どんなに現実が厳しくても、明日はもう少し明るくなるかもと

    少しだけ、主人公に「よかったね」と

    声をかけたくなる小説です

    2022年7月31日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.07.30

    カンガルーの本棚 母のねがい

    森沢明夫さんの「おいしくて泣くとき」(ハルキ文庫)を読みました。

    幼い時に母をなくした心也は、

    もうからない大衆食堂を経営する父が、

    なぜこども食堂にこだわりを持つのか分かりません。

    中学も卒業する年になり、心也は同級生の夕花と石村と心を通い合わせます。

    虐待を受ける夕花を助けるために、心也と石村がとった行動とは

    時は流れ、おとなになった心也が窮地に陥った時に現れたのは

    母から子へと受け継がれた思いやりが、奇跡をおこします。

    人と人とのつながりの大切さを、もう一度思い起こさせてくれる作品です。

    2022年7月30日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.07.29

    カンガルーの本棚 親の言葉がけひとつで

    坪田信貴先生「人に迷惑をかけるなと言ってはいけない」(SB新書)を読みました。

    お前さえいなければ、何もしなくていいから、おとなしくしていなさい

    今のままでいてね、我慢しなさい、お兄ちゃんなんだから

    今、忙しいから、黙って言うことを聞け、口答えするな

    自分の要求を口にするな、あの子と遊んではダメ

    などなど、子どもに対してよく口にする言葉の裏に隠された毒薬とは

    先生は長年坪田塾で塾長をされている経験から、

    子どもを伸ばす言葉かけを伝授してくださいます。

    子育てにお悩みの方に おすすめの1冊です。

    2022年7月29日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.07.28

    カンガルーの本棚 同じ時に生を受け

    辻村深月さんの「ツナグ想い人の心得」(新潮文庫)を読みました。

    死んだ人と再会したいと強く願う依頼人と、

    死んだ人の魂とを結ぶ使者・歩美

    苦労かけられどおしだった父との再会を果たした青年が手に入れた勇気とは

    娘をなくした母が、再会した娘に告げた言葉とは

    修業時代の料亭のお嬢様に、70年近く立った今でも

    どうしても会って見せたいものは

    それぞれの時代に生まれ、ともに時間を過ごすことができなかった人が

    今、想うこと

    人の想いを強く描いた作品です。

    2022年7月28日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.07.27

    カンガルーの本棚 人の心のよわさと強さと

    信田広晶先生の「知っておきたいうつの真実」(幻冬舎新書)を読みました。

    信田先生は、「しのだの森ホスペタル」の精神科の先生です。

    うつ病の初期は症状が体に現れます

    新型うつ病を決して侮ってはいけません

    いい加減な人でもうつ病になります

    うつ病治療は外来治療が原則なのですか

    うつ病の克服は、自分を知ることによって成し遂げられます

    悩みを解決するのはカウンセラーではなくあなた自身です。

    うつ病治療はその人のスピリットに働きかけることで成就します。

    うつ病からの回復には自分にも優しくできることがとても大切です

    自分軸で生きることが大事です

    笑いは最も根源的でシンプルな抗うつ薬です

    などなど、診断から薬物治療、心理療法、生活習慣まで

    幅広くうつ病に対する提言が書かれています。

    うつという病を俯瞰するうえで、お勧めの1冊です。

    2022年7月27日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.07.26

    カンガルーの本棚 続きは三つの輪で

    田中世紀さんの「やさしくない国ニッポンの政治経済学」(講談社選書メチエ)を読みました。

    新聞で目にした論説「他人に優しくない国」に興味を持ち

    知識を深めようと探した一冊です。

    なぜ現代の日本人は、他人を助けようとしないのか

    田中先生は、いろいろな統計からその理由を解き明かそうとされます。

    その要点は神戸医療生協機関誌「三つの輪」の9月号で紹介します。

    お楽しみにしていてくださいね。

    2022年7月26日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.07.25

    カンガルーの本棚 不思議なお薬屋さん

    東直子さんの「薬屋のタバサ」(新潮文庫)を読みました。

    主人公の女性由美は、薬屋タバサで暮らし始めます。

    魔法使いのような名前をもつタバサは、

    男性の薬剤師であり医師でもあり

    不思議な薬屋に、様々な人が訪れては去っていく。

    出会いと別れの中で、やがて二人に訪れる生活とは

    はじまりから、最後のページまで 謎解きのような

    ふしぎな 不思議な小説です。

    2022年7月25日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.07.24

    聴診器のむこうに おいしい4才

    4才の男の子は、恐竜のおもちゃが大好きです。

    「3つ、もってるよ」と言うので、

    「恐竜って、なに食べるのか知ってる?」と、質問します。

    「お肉と・・」と男の子

    「人間のお肉も大好きなんだって、

    特に4才の男の子はやわらかくておいしいらしいよ」と伝えます。

    「先生はね、年取ってるから硬くてまずいから大丈夫だけど、

    ボクはおいしいから、気をつけようね」と、注意します。

    また一つ、危機管理の仕方を伝授できました。

    2022年7月24日

    いたやどクリニック 木村彰宏

    夏2022.06.27  (43) 夏2022.06.27  (36)

  • 2022.07.23

    聴診器のむこうに 昭和は遠く

    17才の男の子は、11月まで部活動を続けるといいます。

    「受験は どうするの」と、心配して尋ねると

    「英検2級を持っているから、提携大学に推薦でほぼ入れるから」と答えます。

    「受験のない高校三年生は、舟木一夫の世界やね」というと

    男の子も、おかあさんも、キョトンとされます。

    ひとり、看護師さんが、納得顔。

    昭和は遠くなりました。

    2022年7月23日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.07.22

    カンガルーの本棚 読むのが重くなり

    重松清さんの「旧友再会」(講談社文庫)を読みました。

    登場するのは5組の中年男性

    仕事につかれ、生活につかれ、親の介護に疲れ

    そして壊れていく家族につかれ

    若い頃、おなじ時を過ごした友人との再会も、

    こころ躍らせる時間を持てないでいます。

    ページをめくる速さが、少しずつ重くなっていきます。

    2022年7月22日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.07.21

    散歩のたのしみ おかあさんまあだ

    仕事帰りの乗換駅で、天井から小鳥の鳴き声が

    見上げると、ホームの天井に、ツバメの赤ちゃんが顔をのぞかせています。

    おかあさんがやってくると、お口を大きく開けて

    「ごはん ごはん ちょうだいな」

    しっかり食べて大きくなって、お空を元気よく飛んでくださいね。

    2022年7月21日

    いたやどクリニック 木村彰宏

    夏2022.07.18  (10) 夏2022.07.18  (12)

  • 2022.07.20

    カンガルーの輪舞曲 ウエブのむこうに

    7月19日 神戸市の保育士さんむけに食物アレルギーの講義を担当しました。

    今年は現地開催をあきらめて、事務局以外の先生は、WEB上での講義です。

    エピペンを使う実習や、ロールプレイングもできないために、

    スライドの数を114枚に増やし、15分の休憩をはさんで3時間

    10を超える質問をいただき、お疲れ様でした。

    来年は、現地開催ができるといいですね。

    2022年7月20日

    いたやどクリニック 木村彰宏

    夏2022.07.19  (15) 夏2022.07.19  (12)

  • 2022.07.19

    カンガルーの本棚 不思議な力で

    森絵都さんの「カザアナ」(朝日文庫)を、読みました。

    時は近未来、観光立国を目指し、

    相互監視が広がるある国の出来事

    そこに、850年の時を経て、

    不思議な力を持つ若者が現れます。

    虫の気を読み、みずからの気と通い合わせる虫読

    石を読み、その地に眠る記憶をあてる石読

    空を読み、風雨の動きをあてる空読

    鳥と通い合う鳥読

    その力を持って、時の権力者に立ち向かう

    不思議なお話です

    2022年7月19日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.07.18

    聴診器のむこうに もうひとりいるよ

    7才の男の子の指に、だれかの顔

    おかあさんのカバンから、シールを見つけてつくりました。

    しばらくすると、もう片方の指を差し出して、

    「もうひとり いるよ」といいます。

    ふたりあわせて こんにちは

    仲よく遊んでくださいね

    2022年7月18日

    いたやどクリニック 木村彰宏

    夏2022.07.04  (14) 夏2022.07.04  (21)

  • 2022.07.17

    クリニックだより 第7波が

    7月17日 休日急病診療所にでかけました。

    9時の開始やら、熱の患者さんが詰めかけます。

    コロナ抗原検査は、二人に一人の方が陽性です。

    14歳から、5か月の赤ちゃんまで、

    発熱のほかには、頭痛、咳、咽頭痛、腹痛、関節痛と

    症状も多彩です。

    学校や保育所、家庭内の感染と、感染経路も拡がってきました。

    7回目の感染の波に、トイレに行けず、

    水分も摂れない半日を過ごします。

    みなさま、くれぐれもお気をつけください。

    2022年7月17日

    いたやどクリニック 木村彰宏

    夏2022.07.17  (3)

  • 2022.07.16

    散歩のたのしみ お忘れですよ

    かんがるうっ子を、駅までお迎えに行った帰り道

    ガソリンスタンドの前に、スニーカーが落ちています。

    これは特大100Lサイズ

    だれが忘れたんだろうと、話題になります。

    警察に届けるにしても、大きすぎて運べないし

    とりあえず、ブログでお知らせすることにしました。

    2022年7月16日

    いたやどクリニック 木村彰宏

    夏2022.07.02  (13) 夏2022.07.02  (16)

  • 2022.07.15

    カンガルギー情報 未来をみすえて

    7月14日、兵庫小児アレルギー研究会を開催しました。

    303回目となる例会のテーマは

    「アトピー性皮膚炎におけるtype2炎症と皮膚バリア機能異常」

    講師の先生は、筑波大学皮膚科学教授 乃村俊史先生です。

    JAK阻害薬、PDE4阻害薬、IL31阻害薬など、

    アトピー性皮膚炎の治療薬の開発発売が相ついでいますが、

    今は、外用療法主体の現在の治療から、

    全身療法を組み合わせた治療戦略へと

    転換が図られていく時代だと、明言されます。

    先を見通されたお考えに感服しました。

    会の最後は、参加者と記念撮影

    楽しく、意義深い一日となりました。

    乃村先生、ありがとうございました。

    2022年7月15日

    いたやどクリニック 木村彰宏

    夏2022.07.14  (33) 夏2022.07.14  (40)

  • 2022.07.14

    カンガルーの本棚 ひとぐすり

    齋藤環先生の「社会的うつ病の治し方」(新潮選書)を読みました。

    古典的うつ病に比べて、症状は軽いものの完治しにくい現代のうつ病

    コミュニケ―ション社会に過度に適応を試み

    疲れ果て、自らの活動にブレーキをかける現代病

    齋藤先生は、SSRIなどの抗うつ薬だけではなく

    ゆるやかな人と人とのつながりという、

    新しいうつ病の治療法を提唱されます。

    考えさせられることが多い解説書です。

    2022年7月14日

    いたやどクリニック 木村彰宏

    51y+ZWiQWyL

  • 2022.07.13

    散歩のたのしみ きいろとあおと

    大きな靴が飾ってある、ガソリン屋さん

    今日は、きいろとあおの旗が、なびいています。

    いろいろな事件がおこり、

    ウクライナのニュースも、めっきりと減ってきました。

    神戸の街から、連帯を

    今も続く苦しみを、忘れないようにします。

    2022年7月13日

    いたやどクリニック 木村彰宏

    夏2022.07.09  (17) 夏2022.07.09  (48)

  • 2022.07.12

    散歩のたのしみ 葉っぱのうえでひと休み

    アジサイに 水をやろうと 目をやると、

    葉っぱの上に かたつむり

    朝日を浴びて、のんびりと

    昼の暑さまで、ひとやすみ

    この夏を上手に 乗りきってくださいね。

    2022年7月12日

    いたやどクリニック 木村彰宏

    春2022.07.11  (9) 春2022.07.11  (6)

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