カンガルーの小部屋

  • 2023.10.18

    カンガルーの本棚 あたりまえを盾に

    西條奈加さんの「心淋しい川」(集英社文庫)を読みました。

    江戸の下町を流れる小さな川

    川といっても流れはなく、いつもよどみ、悪臭を漂わせている

    そのまわりに、ひっそりと建つ、崩れかけた家々

    初めて心を許した職人と別れなければいけない「ちほ」

    母の帰りを子どもが歌ううたに、昔捨てた女との再会を願う「与吾」

    世間から忘れられ、それでも歯を食いしばって生きていく5つの物語

    物語が流れていく先には、思いもかけない秘密が隠されていした。

    2020年度 第164回直木賞を受賞した作品です。

    2023年10月18日

    いたやどクリニック小児科 木村彰宏