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2023.11.10
カンガルーの本棚 こころのケアも
坂木司さんの「シンデレラ・ティーズ」(光文社文庫)を読みました。
歯医者さんがとても怖くて嫌いな女子大生サキ
夏休みのバイトにと紹介されて出かけたのが、叔父が務める歯科クリニック
受付係を手伝うことになり、聞こえてくるのはキィーンという身も心も凍り付くあの音
クリニックを訪れる訳ありの患者さんの生活の背景を知るごとに、
歯の治療だけではなく、こころのケアの大切に気づいていきます。
お仕事小説と、ちょっとしたミステリーと、楽しめる1冊です。
2023年11月10日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2023.11.09
聴診器のむこうに 宿題がなかったら
3か月の弟と一緒に来た7歳のおにいちゃん
「おかあさんに、抱っこしてって お願いしてもいいよ」と声をかけると
「ときどきしてるよ」
「じゃあ、おっぱいもおねがいしたら」と続けると、
「それより、宿題がなかったほうがいいな」と答えます。
もう一度赤ちゃんになって、宿題のない世界に戻りたい。
先生には叶えられない大きなお願いでした。
2023年11月9日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2023.11.08
クリニックだより 体の相談は
11月7日、神戸市の1歳半健診に出かけました。
この日は、O脚、斜視、食物アナフィラキシー、横隔膜ヘルニアなど、
体の相談が相次ぎます。
この答えでよかったのかと、その都度スマホを開いて確認します。
最後になって、言葉遅れの相談や感覚過敏の相談など、
自分の領域の相談になり、息を吹き返します。
小児科医としては、まだまだ未熟なカンガルーです。
2023年11月8日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2023.11.07
カンガルーの本棚 何かを伝え残して
村瀬健さんの「西由比ケ浜駅の神様」(メディアワークス文庫)を読みました。
真夜中の駅を、脱線事故で大勢に人が亡くなった列車が通るという。
噂話を耳にした、婚約者を亡くした女性や
乳に不義理を重ねていた息子、
孤立していた時に優しくされた女性に想いを続ける青年
そして、事故を起こした列車の運転手の妻
真夜中の幽霊列車に乗り込み、愛しい人に何を伝え、何を伝え残されたのか
深夜の線路を、列車は通りすぎていきます。
いたやど駅前の「井戸書店」の森店長さん、一推しの作品です。
2023年11月7日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2023.11.06
クリニックだより なにの仕事かな
ハロウィンにあわせてと、コウモリの姿をかたどったネクタイを付けての外来
来られるかたに感想をお聞きすると、
「ホテルマンかな」「マジシャンかと思いました」との答えが
だれも、コウモリと言ってくれないので、
一回限りのイベントとしました。
次は、トラ柄の服を着ようかな。
2023年11月6日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2023.11.05
聴診器のむこうに 歩きながらの筋トレ
12才の男の子のバッグを持った看護師さんが、悲鳴を上げます。
重さをはかると、10kg超え
これに、水痘とお弁当を入れて、坂道を20分学校まで歩きます。
義務教育は、筋トレから始めるのですね。
2023年11月5日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2023.11.04
カンガルーの本棚 江戸の介護人
朝井まかてさんの「銀の猫」(文春文庫)を、読みました。
主人公は、分かれた婚家に残された借財を返すため
介護人を務める「お咲」
武家屋敷や大店の離れにするお年寄り
食事や排せつ、入浴など、自分のことが自分でできなくなって
そこで「お咲」の出番です。
急がず寄り添い、かたくなな心をゆっくりと時ほぐしていきます。
今に通じる江戸時代の物語です。
2023年11月4日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2023.11.03
クリニックだより 修学旅行あれこれ
11月2日 定例の「おかあさんの勉強会」を開きました。
11月末に修学旅行に出かけるという小学6年生の相談
広島コースと、京都・鈴鹿コース
食物アレルギーの原因食も、泊まるホテルも違うのですが、
事故がおきないように、メニューをチェックします。
高校2年生の女の子は、修学旅行で東京に出かけた時に
アレルギー症状が出てしまい、これからの相談。
大学生2人兄弟が、それぞれ留学をするというので、その準備
食物アレルギーが、子どもさんの行動制限につながらないのはとてもうれしいのですが、
半面、症状が出ないように、もし症状が出た時の行動を確認します。
次回は、11月16日(木)9時半からの開始です。
お母さん方のご参加をお待ちしています。
2023年11月3日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2023.11.02
散歩のたのしみ 大きな人
かんがるうっ子を駅まで送っていくと、出会ったのが大きな人
みどりの服を着て、眼の色もみどりいろ
通学通勤の人に、手を振ってごあいさつ。
後で調べると、名前は「りそにゃ」
朝早くから、ご苦労様です。
クリニックでも、「いたクリちゃん」の着ぐるみを着て、宣伝しようかな
2023年11月2日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2023.11.01
カンガルーの本棚 希望を胸に
西條奈加さんの「千年鬼」(徳間文庫)を読みました。
1000年を超える小鬼と少女との物語。
人の胸の中に巣くうという「鬼の芽」は、育つとその人を鬼に変えるという
時を超え、人の姿を超えて、小鬼は少女の「鬼の芽」を摘み取ろうとします。
その果てに待っていたのは、絶望の中にもかすかに見える希望の光です。
弱きものによりそう作者の心が伝わります。
2023年11月1日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏