カンガルーの小部屋

  • 2024.09.28

    カンガルーの本棚 半身で働こう

    三宅香帆さんの「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」(集英社新書)を読みました。

    働いていると時間が無くなるので、本が読めなくなるって、そんなのあたりまえ

    そう思って読み進めると、読書を軸に書かれた社会論であることに気づきました。

    その時代その時代に何をもって本は読まれたのか

    そしてSNS全盛の時代に、なぜ本は読まれなくなったのか

    作者は自由時間の制約とともに、

    必要な情報だけを最短、最小の時間で取り入れる文化の限界を指摘されます。

    人とつながるために、情報だけでなく

    ノイズ(歴史や他作品の文脈、想定していない展開)をいとわないを受け入れる余裕

    そのためには、半身で働く大切さを強調されます。

    自分と趣味の合う読書アカウントをSNSでフォローする

    帰宅途中のカフェ読書を習慣にする

    書店に行く

    今まで読まなかったジャンルに手を出す

    無理をしない

    新聞の書評にこの本の奥深さに触れられていたのを思い出し、手に取った一冊。

    読書を通じて人生の過ごし方を教えてくれる新書です。

    2024年9月28日

    いたやどクリニック小児科 木村彰宏