2015.07.14
カンガルーの本棚 不断の努力で
出口汪先生の「やりなおし高校国語」(ちくま新書)を読みました。
以下、出口先生の「おわりに」からの引用です。
「一人一人のパソコンの中に世界中の膨大な情報が流れ込む。それらを整理し、活用するのは論理力と、その土台となる国語力なのだ。」
本書では、このような観点から、近代の名文を取り上げ解説を進めていかれます。
その一つに丸山眞男氏の「「である」ことと、「する」こと」を選ばれています。
以下、丸山先生の文からの引用です。
権利のうえに眠る者
「日本国憲法の第十二条を開いてみましょう。そこには、(この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない)と記されてあります。・・・この憲法の規定を若干読みかえてみますと、(国民はいまや主権者となった。しかし主権者であることに安住して、その権利の行使を怠っていると、ある朝目ざめてみると、もはや主権者でなくなっているといった事態が起こるぞ)という警告になっているわけなのです。」
国語の勉強をするつもりが、図らずも「戦争法案」に対峙する話に出合うことになりました。
豊かな国語力は、平和の上にこそ築かれていくものであることを教えられました。
2015年7月14日
いたやどクリニック 木村彰宏