2017.04.15
カンガルーの本棚 なりたいもの
東直子さんの「とりつくしま」(ちくま文庫)を、読みました。
「とりつくしま」とは、亡くなった人の魂が、
この世に戻ってきて とりつく「もの」のこと。
母は、息子の野球に使うロージンに
幼子は、母と通った公園の青いジャングルジムに
妻は、夫が大切にしているマグカップに
夫は、妻が書き続ける日記帳に
少女は、片思いの男の子の彼女が使うリップに
娘は、恩師が使う白檀の扇子に
文庫本には、「・・・」になって「・・・」をしてみたい、という栞が挟まれています。
11の短いお話は、亡くなった人の想いのすべてを込めて 終わります。
2017年4月15日
いたやどクリニック 木村彰宏