2019.08.18
カンガルーの本棚 女性の矜持
朝井まかてさんの「残り者」(双葉文庫)を、読みました。
物語は慶応4年4月10日 前日の大奥からはじまります
江戸城明け渡しの前日 1000人を超える女官が
あわただしく住まいを移す中
5人の女性が大奥に残ります
なぜ彼女らが残ろうとしたのか
それぞれが胸に抱えてきたものが明かされていきます。
戦争により、日常の精進が失われていく哀しさ
きらびやかな文体のなかに
それに抗する女性の矜持とたくましさが伝えくる一冊です
2019年8月18日
いたやどクリニック 木村彰宏