カンガルーの小部屋

2010.07.14

聴診器のむこうに ボクはメロン

8才の男の子は、頭にネットをかぶって登場です。

サッカー少年ですので、ゴールネットに頭からつっこんで、ゴールしたのかと思いました。真相は、家で転んで、ソファーの足で頭を打ったとのこと。

おかあさんが「高級ソファーって、書いてくださいね」と、念を押されます。

13針も縫って、ネットをかぶって、大変でした。

「ネットをかぶっていると、果物みたいやね。」と、わたし。

「メロンみたいやね」と、男の子。

「果物屋さんに並んでいたら、素敵な人に買われて、連れて帰られるかも知れないよ。もしかしたら、そのおうちにはゲームが何でもそろっていて、自由にゲームができて・・」と言いますと、まんざらでもなさそうな顔です。

「朝起きても、学校に行かなくてもいいし、一日中ゲームをしていても、おこられないし・・」

と続けますと、だんだんと不安そうな顔に変わります。

そうです。

ゲームは、もっとしたいと思いながら、たまにするくらいが楽しいもの。

ゲームばっかりで、学校もサッカーも行かなくなれば、おもしろくないと思います。

はやく傷を治して、果物屋さんの店先に、メロン頭で並べられないように、気をつけましょうね。

                       2010年7月14日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏