2021.08.20
カンガルーの本棚 稽古が仕事
立川談慶さんの「花は咲けども噺せども」(PHP文芸文庫)を読みました。
主人公は、いつまでたっても真打ちになれない不器用な落語家
舞い込む仕事といえば、誰一人耳を傾ける者もいない青空落語会
一流企業の職を投げ捨てて、落語の道に入ったものの
先に立ちこめる暗雲は晴れそうにもありません。
あざけり笑う人々をよそに、老人ホームの入居者
中学校の学生、相撲取りとの出会いが、主人公を変えていきます。
「落語家も、相撲取りもさ、稽古が仕事なのかもね。本番の取組とか
高座なんて、ただの集金活動だよ」という言葉が心に残ります。
板宿駅前の井戸書店森店長さんのお勧めの一冊です。
2021年8月20日
いたやどクリニック 木村彰宏