2022.02.24
カンガルーの本棚 磨かれた包丁
森沢明夫さんの「エミリの小さな包丁」(角川文庫)を、読みました。
都会での裏切りと中傷の嵐の中で、傷つき明日が見えなくなったエミリは
母のふるさとの漁村で暮らし始めます。
透き通る空、波のざわめき、凛と響く風鈴の音
そして、なにより祖父の手作りの料理に、心が立ち上がりの始めます。
出会いと別れ
旅立つ時に祖父から手渡された小さな包丁に込められた願いとは
家族の再生を願う、あたたかい小説です。
2022年2月24日
いたやどクリニック 木村彰宏