2023.04.11
カンガルーの本棚 少しだけ顔を上げて
西條奈加さんの「わかれ縁」(文春文庫)を読みました。
金と女にだらしがない亭主のもとから逃れようとする絵乃
人ごみの中で救ってくれた「別れ屋」家業の手代のもとで、
新しい人生を探し始めます。
視野が狭くなり、下を向き足許ばかりを見ている
そんな顎を一寸だけ上げてやる
「別れ屋」は絵乃を救い、そして幾多の人を救います。
今よりのずっと女性の人権が疎んじられていた江戸時代にあって、
生きる力を取り戻していく女性たちの物語です。
2023年4月11日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏