2023.10.06
カンガルーの本棚 甘味にひかれて
坂本司さんの「和菓子のアン」(光文社文庫)を読みました。
主人公の梅本杏子さんは、高校を卒業してもやってみたいことが見つからず
たまたま応募したデパ地下の和菓子屋さんで、バイトを始めます。
中身はおっさんの女性店長や、まったく乙女の男子先輩、
しとやかな元ヤンの同僚に囲まれながら、
次第に和菓子の世界に引き込まれていきます。
お店を訪れるお客さんの、何気ない言葉やしぐさから、
謎ときがはじまります。
ミステリーと滑稽さと成長物語と、
ミックス定食のような満腹感を味わえる1冊です。
2023年10月6日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏