カンガルーの小部屋

2010.11.02

7+8= ひどいよ、おとうさん

おさんぽのときに、おとうさんが、うたをうたいます。

「山には山の、憂いあり、海には海の、悲しみや・・」

みると、こうえんのしゃめんに、あざみのはながさいています。

おとうさんは、いつものくせで、ぼくをひっぱって、しゃしんをとろうとします。

「ハッちゃん」おとうさんが、さけびます。

みると、おとうさんのズボンに、くさのみがいっぱい。

「あれ、ボクのコートにも」

おみみから、くびすじ、からだまで、ボクのコートにも、くさのみがいっぱい。

おとうさんは、みちばたで、じぶんのズボンだけ、きれいにしました。

「ハッちゃん、あとで、取ってあげるからね」といいますが、ボクがガブリするかもしれないので、こわがって、きれいにとってくれません。

おうちにかえって、おかあさんに、ひどくしかられていました。

ひどいよ、おとうさん。

おしごとからかえってきたら、きれいにしてくださいよ。

                       2010年11月2日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏